富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

大惨事安倍内閣発足

fookpaktsuen2014-12-24

農暦十一月初三。大惨事安倍内閣発足。クリスマスイヴだが異教徒の私には何の関係もない。夕餉は野菜のグラタンと奶酪。Punggl Sudrirol Alto Adige Pinot Grigio 2012年。ビデオニュース・ドットコムで12月20日「与党圧勝が意味するもの」見る。ゲストは白井聡文化学園大学服装学部助教。永続敗戦論*1の、といへば「あ、あの人か」。自民党圧勝も考へ方によつてはもはや、これ以上の得票も(つまり得票数は確実に減つてゐるのだが)議席もあり得ないわけで、こゝが踏ん張りどころ。これだけの勢力で改憲できなければお終ひ。神保、宮台との鼎談が共産党について面白い。志位委員長が今月8日、外国特派員協会の記者会見で、共産党が将来の参加を目指す連立政権について「天皇制の問題には手をつけない」と述べたさうで(あまり報道されてゐないが、こちら)。今上天皇、皇太子の憲法擁護発言など今の世の中で最大の「晋三的なるもの」に対する抑止力。今日も晋三は宮中での首相親任式で陛下に何を内奏したのかしら、また陛下のお言葉は如何に(この親任式については昭恵夫人もさすがにfacebookはしてゐないw)……勿論、本音では晋三に確言できぬにしても言葉にせぬ威厳は恐ろしいほどのものだらうが←それに耐へられるのは晋三くらゐしかゐないか。
▼昨日の天皇誕生日についての蘋果日報の記事より。

正當日本首相安倍晉三矢言修憲行使集體自衞權之際,昨日(周二)慶祝81歲生辰的日皇明仁卻跟安倍大唱對台戲,希望日本是個和平安定國家,能與亞洲鄰國建立友好關係,互相扶持前進。(略)宮內廳還公佈日皇早前跟記者的講話,特別提到明年是二戰結束70周年,有逾300萬人死於二戰,「為確保這些人並不是白白犧牲,我相信作為僥倖存活者的義務,以及對後代的責任,大家要時時致力打造更好的日本」。明仁「衷心希望日本是個穩定、和平、健全的國家,不只跟亞洲鄰國,還與全球其他國家達成互相扶持的友好關係」。他又計劃明年到二戰時太平洋戰爭最激烈戰場之一的帛琉(Palau),悼念二戰死難者。

と、実によく陛下のお考へにまで言及してゐるし「平和天皇」の印象がアジアに広がつてゐる。
▼昨日の朝日新聞に「学連」事務局長としてで雨傘運動の中心的人物となつた周永康君のインタビューあり。今回この運動で結果が得られなかつた原因として

決定権が香港政府になく、中国政府にあったからだ。香港政府だけならまだしも、背後の中国政府と向き合うには力が足りなかった。香港の過去の民主化運動で最大の失敗は、中国への認識が不十分だったことだ。香港の中だけしっかり管理できれば、進歩的な社会ができると思っていた。だが、現実は違う。中国は常に香港に影響を及ぼしており、中国のことを理解しなければ根本的な問題は解決できない。

……ってこんなことは運動起こす前から解つてをくべきこと。

(香港)政府が、中国側の示した仕組みを変えない以上、(香港政府と)対話を続けても意味はなかったと思う。それに政府自ら、香港だけでは解決できないと言っていた。だから、中国政府との対話を模索したが、残念ながら意味はなかった。

と言ふが北京中央がまさか1989年の天安門のときにパジャマ姿のウアルカイシら招いたやうな扱ひにでもなると思つてゐたのかしら。結果論だが香港警察が初日に非暴力の民衆運動に必要以上に武力制圧施し世論が雨傘君たちに同情的になり政府が一応は対話試みた直後「今回の運動はここまで」と潔く撤退してみせ「またいつでもやってやるからな」くらゐにしておくべきでしたね。
▼フランシスコ法王が語つた「バチカンが患ふ15の病気」
①自分たちが不滅で不可欠だといふ感覚 ②働き過ぎ ③心が石のように頑固になること ④計画しすぎること ⑤調和なく動くこと ⑥妄執や誤つた考へにとらはれること ⑦張り合つたり虚飾に走つたりすること ⑧現実に向き合はないこと ⑨陰口を言ふこと ⑩上司の神格化 ⑪他者への無関心 ⑫お葬式のやうな深刻な顔 ⑬物欲 ⑭閉じられた「内輪」を優先すること ⑮世俗的な利益を求め見栄を張ること

*1:「永続敗戦」それは戦後日本のレジームの核心的本質であり、「敗戦の否認」を意味する。国内およびアジアに対しては敗北を否認することによって「神州不滅」の神話を維持しながら、自らを容認し支えてくれる米国に対しては盲従を続ける。敗戦を否認するがゆえに敗北が際限なく続く―それが「永続敗戦」という概念の指し示す構造である。今日、この構造は明らかな破綻に瀕している。1945年以来、われわれはずっと「敗戦」状態にある。「侮辱のなかに生きる」ことを拒絶せよ。