富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

患難家族

fookpaktsuen2014-12-17

農暦十月廿六日。朝の気温摂氏十度。極寒。キータッチが柔らかく愛用してゐたカシオのSL-100といふ電卓が動かなくなる。調べたら1984年製で。まだそんなものか……と思つたら1984年が30年も前であることに驚く。出先から佐敦のバーZで一酌して北角の寿司加藤。曼谷から転じて岸和田Y氏、Z嬢と飰す。香港ヒルトンにあつた源氏、ランドマーク地下の嵯峨野はホテル日航に同名の店が出来たので弁慶に、また雲海やペダービルヂングにあつたカルチャークラブなど懐かしい日本食屋の話。早見和真原作を「舟を編む」の石井裕也が監督した映画『ぼくたちの家族』観る。今だからデジタルなのだけど映像の質感がどこかアナログっぽく脚本も演出もじつによく出来た映画。立て続けに家庭の不幸なんだが山田太一の「岸辺のアルバム」みたいに、本当にそのへんに「あるよな」な感じで、向田邦子の「阿修羅のごとく」のやうな家族ゆゑの人間関係の焦れ具合。映画だから芝居なのだが主人公の家族や医者までが普通にしてゐるところをキャメラで撮つてゐるやう。それにしても香港での「患難家族」ってタイトル、あまりにもそのものズバリすぎ。
▼内閣支持と不支持はほゞ均衡、与党2/3議席獲得も良いとは思はない、憲法改正反対が過半数アベノミクスに期待のない63%、晋三の安保政策不支持が55%、普天間計画は停止と白紙で64%、81%が定数削減できず実施の今回の占拠に納得していない(共同通信による世論調査)……で、どうしてあの選挙結果と晋三の長期安定政権なわけ? 安倍自民党の支持者は(占拠で投票した人の)三人に一人、有権者全体で六人に一人(斎藤美奈子)で、その支持であの政権が動いてしまふ不条理。だが、それでも「晋三は日本の民度に相応な首相」といふことか。