富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

アベノミクスか否か、と大手町新聞

fookpaktsuen2014-11-23

農暦十月初二。快晴。昼前にZ嬢と北角からバスで空港へ。金鐘の道路占拠の影響でバスは湾仔から中環は迂回で一時間以上かゝる。あまりに冷房が強烈なので自分に直接当たる送風口は閉じられるが、さうすると通路に向いた送風口←閉じられない、から猛烈な冷気となるので、こちらはティッシュで強引に塞ぐ。隣席の意太利人も感動。空港へ行くと習慣でバーガーキングでお昼。今は市街にもあるが昔は空港だけ。バーガー頬張ってゐるとカートに生活用品満載の西洋人の空港居住者がフードコートに現れる。あり合わせの食べ物持参でお昼から缶ビールとは悠々自適。生活資金さえあればコンビニ、トイレ、診療所、さらに理容室まであり空港だけで確かに生活できる。かうした空港居住者が香港空港には十数人ゐるとか。するとフードコートの食器片付けのスタッフが「ハロー」と声をかけ誰か随分と食べ残しの麺をこの居住者に提供で和気藹々。ドラマ空港模様。那覇からの来客S女史迎へ上環のホテルなので空港バスに乗つたのはいゝが本来なら上環経由北角行きに乗るべきところ小西湾行きが西環経由なので、これでもいいか、と乗つてしまつたら大失敗で最初のバス停が北角。道路占拠の影響か、と思へば月〜土のみ西環経由←空港バスだが西環から小西湾といふ通勤客需要あり。しかも道路占拠の影響で佐敦近くで高速道路を下り九龍の市街地経由で紅磡から海底トンネル潜る迂回ルートとは。北角からタクシーで上環のホテルへ行き下榻。また路線バスに乗り紅磡へ。先ほど通ったがバスは停まらず、で致し方なし。S女史を紅磡の葬儀場近くの殯儀屋へお連れする。知己のL氏亡くなり葬儀は来月でご遺体は葬儀場の霊安室に安置されてゐるがお別れは不可、葬儀屋に位牌と遺影あり、そこで焼香。尖東まで歩きリーガル九龍ホテルの富豪軒に飰す。初めての食肆だが曾て𨉷記にゐたマネージャーJ嬢が今はここに勤務。ホテルで値段もそれなりに高いが美味。S女史ホテルに送る。
▼かつて暴論といへば産経だつたが読売新聞の暴走がひどい。昨日も巻頭の政治部長•田中隆之による署名論説「アベノミクスか否か」は

この数年、短命政権が続いたが自民党「一強」の下で政治は安定を取り戻しつつある。このまま首相の政策、政治手法を支持するのか、それとも違う道を取るよう迫るのか。

って、中共の論理(笑)で新加坡の実践(涙)。晋三の自民党一強の状態がいゝのなら自民党議席数明らかに減らす今回の選挙こそ回避すべきなのに、それを仕掛けてゐるのが大手町新聞なのだから。で安倍政権総括の今日の社説「経済最優先で「好循環」目指す」が人民日報的に凄い(こちら)。晋三の政権に苦言も呈しつつ、まるで通信簿で政権見下ろす上から目線。大手町の新聞っていつからこんな偉くなつたのかしら。同紙でJR東海名誉会長の葛西敬之なんて原発再起動が「貿易赤字改善に即効性」と暴論吐かれてゐる。原発停止後の天然ガス追加輸入が貿易収支赤字化の契機となつた、ってタイミング的にはさうだが、天然ガス追加輸入なくても赤字は必然。経常収支が赤字基調になると国内の貯蓄と消費減少で国債暴落、財政破綻と決めつける。それを救ふのが原発で「グリーンで低コストの原発を安全に使う決断をする」ことだとは、まぁ暴論の極み。たゞ深読みすれば「グリーンで低コストの原発を安全に」「使う」のではなく「使う決断をする」であって「グリーンで低コストの原発を安全に使う」ことなんて所詮不可能とわかってゐるのかしら。もし解つてゐても再起動に舵をとるのなら悪徳以外の何ものでもなし。思はず映画『続•猿の惑星』で地下に埋没した廃墟の紐育でコバルト爆弾信仰するミュータント化した人類をば彷彿。ゾゾッ。