富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

捍衛我城

fookpaktsuen2014-09-29

農暦九月初六。「佔領中環」の主催側、學聯、天主教は市民に一旦の解散を求めたが還らぬ市民多く夜を徹して金鐘、銅鑼湾、そして半夜三更からは旺角でも道路封鎖続き朝を迎へる。昨日に続き中共官報・大公報が市民非合法運動非難なんだが、だうしても現場の混乱大きく伝へる紙面になつてゐる。「佔領中環」では中環での占拠活動は夜から朝にかけて実施しビジネスアワーに合はせ撤収なんてシュミレーションもあつたが。教育局は深更のうちに今日は湾仔区、中西区にある学校は休校措置を決定。月曜朝に路線バス等かなりの道路交通網の乱れ。日本の某マスコミから「香港が大変なことになっていますが……」と電話あり。そんな大変ぢゃありません、と答へるのはSARSのときも2005年のWTO閣僚会議の時も一緒。なんでそんなに「混乱した香港」のニュースが欲しいのかしら。「佔領中環」のはずが道路占拠は金鐘、銅鑼湾、旺角となつてゐるが金鐘の社中が昼前に中環に向けて動き出した由。昨日の警察のあまりの敵対ぶり、抑圧に感情害した市民が平日にもかゝわらず道路占拠に加はる。「これぢゃ経済も大混乱」といふ声も一部の体制派除けば世論としては聞こえてこず心情的には佔領派応援の感じがマスコミも含め全般的にあり。香港株式市場「暴落」なんてネタも流れてゐるが午前中の取引は恒生指数が1.9%下落、長實、信置、恒隆や新世界など不動産株が3%下落は地産獣退治として「佔領中環」の好効果か。午後遅く中環へ。MTRには金鐘、中環へ向かふ若者多し。みんな黒シャツ。席譲つた年寄りが「若いってのはいゝねぇ、頑張れ!」と声援。プリンスビルヂングのアスコットチャンでシャツ誂へ受け取り。中環でChater RdとDes Voueux Rd Cはすでに車両通行止め。環境良し。いつもさうすればいゝのに。マンダリンオリエンタルホテルの前が佔領香港の最前線で、こゝから金鐘、湾仔の警察総部、演芸学院付近までConnaught Rdが解放区。香港警察は昨日の催涙弾と芥子スプレー攻撃、さらに暴徒鎮圧専門の武装警官まで配置したことですっかり市民の顰蹙と絶望かひ今日は不思議なほど解放区に警官を配置せず。警務處長の曾「禿鷹」偉雄←タカ派の禿でそのままwが兎に角人望もなければ指導力もなく単なる行政長官(測量梁)の下僕でダメ。解放区の中は晩の盛り上がり前に学生諸君が整然と待機中。飲料水、バナナ、マスクや冷えピタまでボランティアが無料で配りゴミの回収から分別処理まで香港の抗議集会でもはや伝統のお作法は見事。点在するステーションには食料から純水、コンタクトレンズ洗浄液からすつかり市民の防御用品となつた雨傘、衣料品まで備蓄の品々が確保され、AIAタワーのあたりにはボランティアの緊急医療隊まで待機。まぁ充実。金鐘がメイン会場で主催者三人組の一人や梁「長毛」國雄議員らがそれぞれ演説中。行政長官選挙では普選も実現できず窮屈な思ひはあるが、この解放区ぢたい表現と集会結社の自由あつての空間であつて香港がさうした基本的人権が(普選を除けば)維持されてゐることは痛感してゐないといけないと思ふ。それにしても市民に囲まれた香港政府総部、立法会の議事堂では民主派の議員鳩まり梁振英下台〜!と雄叫び、この混乱に誠実に対応せぬ測量梁に行政長官辞任求めたりしてゐるが、出来っこない話で今はそんなことをしてゐる場合かしら。香港警察本部まで来ると、さすがにこゝは警官も多く(当然だが)軍器廠街の高架道から警察総部に向かつてくる学生らはインター校の一寸不良っぽいへら/\君ら先頭に「いつでもやってやるぜ」な連中で警官もバリケード組み警察本部には一歩も近づけぬ、と意地を見せるが警官の壁を前に学生君たちわざとへら/\と記念写真撮影したり踊つてみたり。一触即発ではある。警察も本当ならヘルメットかぶり盾を持つて、の昨日まで普通だつた重装備したいところだが、それで芥子スピレーが無防備な市民に抗する姿か、と批判浴びたので此処でもあくまで普通の警官姿で盾も持たずに対峙。警察官も(ピストルこそ携へてゐるが発砲は厳禁で)丸腰では弱々しい。久々にDelaney'sでギネス麦酒飲む。湾仔の地下鉄駅は路線バスがかなりの路線で不通になつてをり混雑甚し。だがさういふ状況でも混乱せぬやうに整然と動く香港市民はお上品。北角。Z嬢と待合せ猫を愛でる。北角まで地下鉄站出たところに佔領香港の臨時ステーションあり水や乾パンなど支給。こゝまで運動は来てゐないだらう、と思ふのだが、こんな組織だつた動きがかなり周到に準備されたものであること思はせる。英皇道のガードレールにも黄色いリボンがずっと結ばれてゐる。帰宅してトマトと挽肉のパスタ。Châteauneuf-Du-PapeのBeaurenard Paul Coulon Et Fils 2009年。テレビニュース眺めてゐると昨晩は突然の辞任説すら流れた政務司長の林鄭月娥が記者会見で世論を考慮して選挙制度含めた行政改革見直しで予定外の第二段階の諮詢を出来るだけ近い時期に開始する、と表明。民噴の抑制図るつもりなのだらうが、これがどれほどの効果あるか。このオバサン、測量梁の下での過労で本当は辞めたいのだらう、と誰もが思ふところ。今日は何人も日本から「かなり香港が大変なことになつてゐるやうですが大丈夫?」とメールなどいたゞいたので、また日本の大袈裟なマスコミのおかげか……と珍しくNHKのNW9見る。御嶽山噴火も犠牲者には気の毒だが三日目の今日も「どうして予知できなかつたのか」「被害が大きくなつた原因は」の繰り返し。続いて今日からの臨時国会で晋三の地方再生云々の演説聞かされ、やつと終はつた、と思つたら今になってまでアベノミクスの三本の矢の復讐で相変らず「自民党の方を向いて仕事する」キャスター大越がゲストの麻生マンガ太郎相手にヨイショトーク。本当にこの番組は自民党の宣伝番組か。大越下台!である。45分もバカな大越に付き合つて、やつと「香港では」となつたが昨日の映像使つて「混乱は続き収拾のメドは立つてゐません」で30秒。香港政府の教育局は晩九時に早々と明日も湾仔区、中西区にある学校は休校措置を決定。今晩の中環〜金鐘、銅鑼湾、旺角は不思議なほど警察が出てをらず警察もさすがに動けば嫌はれる、で嫌気さしたのか嵐の前の静けさなのか。今日流れたニュースで一つ可笑しかつたのは香港から測量梁は北京中央に解放軍なり武力鎮圧求めたが習近平国家主席が香港のことは香港で話し合ふべき、と武力提供断つた、と何処まで本当か解らぬが測量梁と中聯辦香港の主任(张晓明)が叱られたといふ話あり。