富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2014-06-15

農暦五月十八日。日曜。蹴球で日本対象牙海岸戦は香港時間朝十時、日本人は固唾を呑んでサッカー中継見てゐるであらうなか日本が先制の一点入れたころに官邸へ。NHKのラジオで実況中継聞きながら書類整理。後半ドログバ選手登場で空気が変はつたな、とラジオ中継からひし/\と伝はるうちに、あらゝで逆転される。あとで配信の写真見たが長友と森重が二人かゝりで止めに、って本当に止めにかかってゐる、ラグビーか。支配率は39%でシュート数は象牙海岸21に対して7……これでは晋三が「だから専守防衛はダメ」となるか、まぁ軍事と違ひ蹴球こそ攻撃は最大の防御なのだらうが。夕方、ジムで5kmだけ走りZ嬢と待合せ映画『テルマエロマエ2』看る。太古岡田屋の山頭火でらーめん飰す。文藝春秋七月号読む。
文藝春秋七月号。薮中三十二「対中外交 ASEANとの連携図れ」もはや大国たる中国の包囲網あり得ず米国も中国封じ込め(contain)ではくengage(関与)かhedge(保険)の時代、と。中野剛志ら鼎談で「第三の矢 成長を知らない「成長戦略」」本来の景気対策を株価対策と誤解、本当の豊かさが何かわからぬのなら第三の矢は最初から放たないでほしい、と中野。井上壽一と中島岳志の対談「何よりも正しい歴史認識を」第一次大戦後の好景気、大正デモクラシーの時代は富裕と貧困の格差問題が生じ(河上肇『貧乏物語』)二大政党制は政治的不安定となり(安田善次郎暗殺)この時代に煩悶とした青年たちが昭和に入り国家主義農本主義新興宗教に走った、と。最近かなり人気の下がる孫文だが清朝が勝手にひっくり返つてしまつたので当初は満州チベット等異民族隔離して漢民族国民国家建設のはずがそのまゝ中華民国になつてしまつたこと←これはその後の東アジア情勢にかなり大きなインパクトあり、大東亜戦がアジア解放とかいふが寧ろアジアの脱植民地化には1930年代後半に低価格の日本製品がアジア席巻しアジアの植民地において宗主国との経済関係の比重が薄らいだことが大きい、とこの二点は面白い。

文藝春秋 2014年 07月号 [雑誌]

文藝春秋 2014年 07月号 [雑誌]