富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

森栄喜の淡さ

fookpaktsuen2014-05-25

農暦四月廿七日。日曜日。のんびりと陋宅にて朝を過ごす。ハーバー沿ひ走ること小一時間。晝餉に冷や麦。午睡。Z嬢と午後に北角からフェリーで九龍城碼頭(実際には九龍城からかなり遠い土瓜湾)に渡る。猛暑。甲斐絹の日傘が心地良い。牛棚芸術村。第39回伊兵衛賞の写真家・森栄喜君の小さな写真展見る。先々週だか本人来港で香港での写真。intimacyといふ彼のゲイの日常撮つた写真集ありパラ/\とページ捲る。あまりに優しい世界。こゝ数日この日剰に綴つたオフィスであれショッピングモールであれ快適な世界、それが東京でも香港でも広州でも、の無印の展示場のやうな優しさに包まれた淡さ。当世好みか。路線バスで九龍城。いつもの道順で食材屋順繰り。新三陽で端午節に合はせ粽あがなふ。衙前塱道にある潮州食品扱ふ唯豐の若夫婦の働きぶり見るにつけアタシ程度の仕事で忙しいだの休みない等と言つてはいけない、と痛感。街市の八百物屋などかなり見て歩くが紫蘇がない。自家製で天然の紫蘇シロップ(これを割つてジュースで飲む)切れており残念。早晩に隆姐泰國に飰す。暑い日は辛いタイ料理が一番。金滿堂甜品にドリアンのデザートも幸せ。路線バスで熟睡のうち帰宅。陽暦五月二十五日は先考誕生日。五月五日が子どもの日なら五月二十五日も「男らしい」と父の誕生日に子どもながらに思つたもの。
▼「戦争の悲惨さを描いたゴジラに共感できたあの国はどこにいったのか」と1954年公開の第1作目に主演の宝田明さん。長谷部恭男&杉田敦対談(朝日で時々)は「そもそも早急に対処すべき安全保障上の問題が生じているというのは第一次安倍内閣の時に出てきた話です。その後、数次の内閣では言われなくなり、それが今回また出てきた。安倍内閣ができると突如として安全保障上の緊急性が高まるんですね」と長谷部先生の突っ込みに杉田先生は「安倍さんを含めて「決められる政治」を追求していくと中身はともかく決めればいいということになりがちです。そのために憲法など権力へのブレーキは全部外せということになる。特定秘密保護法もその一つでしょう」と。確かに。よっぽど馬鹿ぢゃないと、ここまで「決める」だけに専念できず。今年4月に晋三が閣議決定のエネルギー基本計画に関するパブリックコメントでは脱原発求める意見9割超、経産省はさうした意見反映どころか公開もせぬまゝ原発を「重要なベースロード電源」と位置づけ。茶番も茶番。
▼大相撲夏場所で優勝の白鳳が結びの一番での(優勝決定戦見たいからか、の)観客の日馬富士コールに気分害したか表彰式での君が代斉唱のときにいつも君が代を口ずさむんださうな白鵬が口を結んだまゝ(翌日の記者会見もキャンセル)……で、それはそれでいゝが表彰式でNHKのアナウンサーが「君が代を歌いませんでしたが」とまで突っ込んだのは、だうかしら。ノーテンキといふか鈍感すぎないか。