富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

TPP日米合意実質合意?

fookpaktsuen2014-04-25

農暦三月廿六日。小雨。TPP日米合意見送り。読売だけは「実質合意」とは……さすが御用新聞、官報(嗤)。ほら見たことか。それでゐて尖閣に安保適用の共同声明。中国の反発高めるだけ。これが戦略的外交か、呆れるばかり。晝ころには天気少し回復。中文大學の図書館は何度もメインライブラリーばかり寄つてゐたが、ふと日本文学を探したらジャンル別の書架で文学が飛ぶので「ん?」と思つたら文学は崇基書院の図書館。さうだつた、と昔を思ひ出して、どうせ大學站に往くのでカントリーウォークで(本当に此処が大学のキャンパスか?といふ自然徑である)崇基の図書館。かなり環境改善されたメインライブラリーに比べると混み合つてゐるが日本書籍もずらりと開架あり。中上健次発言集の頁捲ると柄谷行人相手に「俺はとにかく八十歳まで生きようと思ってんだ」と中上。柄谷が「いや、長生きしないね。『枯木灘』みたいな作品を書くと長生きしないよ」と。晩に荃湾民豐粉麺の餃子茹でる。開高健の電子全集「40代エッセイ大全」少し読む。中年になつて何故に大喰ひなのか、といふ話で

これ、ことごとく少年時代に骨髄にまでしみこんだ飢餓記憶のせいである。われわれはことごとくモミジのようなくちびるをしていたのだが(あの小松左京も、あの野坂昭如も)、食物についてはマメカスとか、ハコベとか、ヤシ粉とか、いまならカナリアでもそっぽ向くようなものばかり食べて育った微少年なのだった。われわれはバルビュスの「地獄」を読んでとぼしい血を総動員して充血、硬直し、シラウオのような五本の指でその解決に没頭し、事後は目のまえが暗くなって、チカチカと眼がとぶのを銀河系のようだと思ったりしたこともあった。けれどそのいっぽう、フラフラの足を踏みしめて、米軍が和歌山の岬に上陸したら地雷を抱いてバットン戦車のしたにとびこむんだと思いきめていた。

なんて筆致。微妙に平仮名多いのも面白い。日経の昭和46年春の文章。
▼今日の蘋果日報の1面トップが大陸旅行客が路上で子どもに大小便させることでの騒ぎ……とほほ。昨日の人民日報(海外版)にまで「一泡童尿何以激起风波」といふ文章掲載の由(こちら)。「文明是需要不断自省和学习的,旅游也是需要积累经验的。游客与旅游地达致“相看两不厌”的境界,需要双方都提升文明程度,这其中,最重要的,是理解」と大陸の旅行客に自省と「文明化」求めてゐるが香港の反応も尋常に非ず。90年代初、KCR(現在のMTR東鐵)の車内で、当時はゴミ箱あつたが子どもの小便をゴミ箱にさせて床に漏れてゐた光景もあれば、偶然に昨日のSCMP紙のLai Seeが書いてゐるが香港島中腹の高級住宅地でMay Roadのあたり通りかゝりのタクシー運転手の立ち小便アトを断たず、と。こんな記事や市民の反応見るにつけ香港と大陸の和諧などほど遠し。
▼小浜大統領の尖閣発言。
Historically, they have been administrated by Japan, and we do not believe that they should be subject to change unilaterally. What is a consistent part of the alliance is that the treaty covers all territories administered by Japan.
であって尖閣諸島は「歴史的に日本の施政下にあり、一方的に変化の対象になるべきとは信じていない」として日米安保条約は「日本の施政下にある全ての領土がその対象になる」と、確かに尖閣が日本の施政下なら日米安保の対象になるといふことだが、A