富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

キーシンのスクリャービン

fookpaktsuen2014-04-07

農暦三月初八。雨。早晩にZ嬢とFCCで軽く夕食済ませて尖沙咀。文化中心。エフゲニー=キーシンはんのピアノリサイタル。香港で拝聴三度目。シューベルトソナタ17番。予想通り第二楽章で睡魔に襲はれ第三楽章が終はるとステージかぶりつきのパツキンのデーハーなジンガイのナオンが思ひっきり拍手で顰蹙かひ第四楽章はいつものことだが「きっとこの楽章は本当は第三楽章か、全く別のものとして作曲されたのに本人が偶然、第3楽章のScherzo Allegro vivaceの背後にスコア置いてしまひ」第四楽章になつたのだ、なんて考へてゐるうちに中入り。赤葡萄酒一杯飲んでZ嬢に「眠らない?」と言はれるが後半はスクリャービンで、キーシンスクリャービンなら絶対に眠くならないと思ふ。スクリャービンピアノソナタ2番。素晴らしすぎる。感動。続いてDouze Études(12の練習曲)から7曲。アンコールは名前失念の小曲、12の練習曲から1曲で最後はショパン英雄ポロネーズ。お客総立ち。まぁアンコールに合はせた華麗なポロネーズ。ピアノリサイタル跳ねたアトに客が皆こんな幸せさう、楽しさうな笑みになるのだからキーシンご立派。同じ演目でこのアトは日本。香港で(音は良くないが)S席760ドルがサントリーホールだと18,500円で倍となる。
▼北京の御用学者(饒戈平)が香港で基本法23条に基づく公安立法が出来ないのなら内地の国家安全報を適用する試みもあるのでは、と暴言。香港の自治と普選実現など米国政府に訴へに香港の良心?たる李柱銘とアンソン陳方安生の二人が米国副大統領と面談。そんなことすればするほど北京が頑なになるだけなのに。NY Timesは週末版の社説で“Protecting Hong Kong’s Autonomy”掲載(こちら)。つい「アジアにはアジアの価値観がある」とアタシでも言ひさう。