富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

無聊なマカオ

fookpaktsuen2014-03-16

農暦二月十六日。曇。よく寝た。ソフィテルの寝台はアタシの好み。朝七時にクラブフロアのラウンジで朝食が始まり、いつもの如く口開けの一組。昨晩は部屋の空調オフにしても少し寒いので寝台用に掛け物を追加でハウスキーパーに電話で頼んだが“Suddenly”と応へてもなか/\持つて来ず一時間して電話すると“Sorry for it, Suddenly!”で結果、半夜三更に至つても毛布は届かず……とレセプションに報告。部屋に戻り二度寝。午後2時の退房時間まで湯に浸かり部屋でまつたりと過ごす。窓際に昨晩H夫人にいたゞいた紀伊川宗圓の「菖蒲」据ゑると、これがなか/\良い。風呂で思案した今日の香港ダービーと地場G1のThe Queen’s Silver Jubilee Cupの馬券をiPhoneのアプリ等で購入しようとしたら繋がらず。以前は広東省から繋がつたのだが。慌てゝ馬友Lに電話で馬券購入頼む(結果、後者は2番人気のフラッグシップシャインは6着、ダービーは同じく2番人気のエイブルフレンドは2着)。も少し客室に夕方まで滞在も出来たが、さすがにお腹も空いて退房。路線バスで紅街市まで往き何週間ぶりかしら、の日照りのなか下町の路地漫ろ歩き昨日まだ営業中と確認できた利多餐庁でセットランチ。顔なじみのフィリピン人たち働いてをり営業権は変はつてゐない様子(アトで知己に聞いた話では通りに面した利多餐庁やナイトクラブのあつたビルの商業エリア部分は已に売却で手放した由)。店員が電話で「マム、マム」と言つてゐるので老女将ご健在なのだ、と察してゐると路地の奥から住人が老婆連れてゆっくりとお練りで「あれ?」と思つたら利多の老女将。日曜の家族勢揃ひだつたらしく娘や孫など随分と集つてゐたやうで老女将だけが店内に入りお食事。足腰はさすがに弱つてゐるが、すごい食欲でお元気さう。ご挨拶。久々に二龍喉公園へ。熊の檻に親子連れが見てゐるので「え、利多の女将さんも元気なら老熊さんも?」と驚いたら大きな熊は齢三十近かつた馴染みの熊(Bobo)より一回りも大きく見える。先代が亡くなり交代なのかしら。何もすることがないので路線バスでコロアネ島の黒砂海岸へ。海岸に着いたところで何もすることがないので亦た市街へ。復路は無料。二時間余。無駄な時間のやうでコロアネ島といつても今では氹仔とすつかり陸続きだがコロアネ地区の入り口に石排湾といふあたり大きな公団団地が出来て澳門本土?とコロアネ結ぶ路線バスがこの団地エリアを迂回するので興味深い社会科見学。路線バスは楽しいな。澳門市街に戻り大陸旅客の芋洗ふが如きセナド広場のBinto書店。蔡明亮映画監督に関する研究書立ち読み。レファとレドといふ二匹の猫を愛でる。昨晩に続きマカオソウル。少しスパイしーなワインが飲みたい、と言つて供されたのがMonte d'Oiro Tempera Tinta Roriz 2005年。確かに。京都の佃煮を出されて、これがまたワインに合ふこと。昨晩に比べ閑かな日曜晩でご亭主Hご夫妻と近代版画や京都のこと、不動産のことなど四方山話。昨晩に続き上質のポートワイン、赤ワインご馳走になる。本当に無聊な一日。午後九時半にマカオソウル辞して旅寓に戻り荷物受け取り路線バスでフェリーターミナル。10:45のジェットフィイルで香港に戻る。春めいた朧月の十六夜の月(明晩が満月の由)。