富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

春の澳門に遊ぶ

fookpaktsuen2014-03-15

農暦二月十五日。曇。Z嬢と朝九時のジェットフォイル澳門へ。気温摂氏15度。寒いくらゐ。路線バスでソフィテル澳門ポンテ16に往く。クラブフロアで下榻。昇級で套間(suite)宛てがはれる。部屋の歓迎の葡萄酒届くが澳門葡萄牙でも供された葡萄酒がモンターニュノワールといふシラーズなのはソフィテルらしさ。晝までまだ時間もあるので路線バス乗り継ぎ旧市街東北のへ。新恵康といふ超級市場あり、それなりの食材充実で此処でZ嬢が食材調達。Avenida de Sidonio Paisの向かひ側は利多餐庁だが老朽化した商業ビルはシャッター降りてをり遉がに閉業か、と思つたら看板ありビルの横丁入るとテイクアウトと簡単な食堂で利多健在。路線バスで氹仔へ。此処までバス4本乗り継ぎだが40分以内だかで乗り継ぎは無料なので2パタカと3パタカで計5パタカ。60円ほど。百年一日の如くXiolas O Castiçoで昼餉。子豚の丸焼きが45分で出来上がるといふので、それを待ちまつたりと葡萄酒飲む。二時間半もかけて、の昼餉だがスープと烏賊の煮物と子豚、メレンゲのデザートをZ嬢と全てシェアしただけ。近くのレストランの裏口にいつもゐる狗二匹と遊びZ嬢は買物へ。アタシは路線バスでホテルに戻る(いつもの如くバスで爆睡)。午睡。広いバスタブに湯を張りSCMP紙の難度5のSudoku終はるまで湯に浸かる。燈刻にクラブフロアのラウンジで麦酒一飲。旧市街漫ろ歩きマカオソウルへ。ご亭主の英国人H氏夫妻に一月の千葉市立美術館での川瀬巴水展でのカタログをお渡しする。H夫人よりお返しに、と京都鳩居堂で入手したさうな紀伊川宗圓といふ画家の菖蒲の絵(色紙)いたゞく。先客に澳門のWynnホテルの菓子部門で従事するお二人、独逸人とその下で働く女性は日本人のMさんをり。澳門で何処だかのホテルに独逸から招いた菓子職人がバームクーヘン焼いてゐるさうで、それと京都でH氏夫妻が好きなんださうな「ぎをんさかい」の「みやまあばむ」の食べ比べするところで、そのテーブルに招かれ、バームクーヘン頬張りモスカテルいたゞく。「けしてそんなに悪くない」とH氏が評すこのマスカテルはFacaiosの1975年物……悪からうはずがないのだが(笑)。同じく1970年物のポートワインまで供される。今晩のマカオソウルは週末の所為か繁盛で常連の独飲客は相席。ケーキ職人の方たち去つた後は英国夫人とフィリピン人の酒飲みと相席となり、お二人が東北の大震災以降の復興を絶賛。震災直後の混乱の無さは日本以外では考へられない、三年ですつかりrecoveredと……そんな諸手を挙げて喜べるほどは……。核禍の情報だつて何処まで正確に伝はつてゐるのか疑問も少なからず。大三巴を抜けて白鴿巣公園前から下り黄枝記で雲呑飰し旅寓に戻る。どんよりとした空で十五夜の月も見えず。
▼十三日の紐育時報に「香港民主化の父」Martin李銘柱“Hong Kong’s Shaky Democratic Future”掲載(こちら)。主張することはいつも真っ当だが米国のリベラス紙に香港の普選実現訴へても現実には北京中央徒らに刺激し硬直化させるだけで「香港民主化の遅々」となる現実。