富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

ハルキムラカミ中頓別に続き今度はゲイ偏見か

fookpaktsuen2014-02-16

農暦一月十七日。香港マラソン当日。昨日から抗生物質服用で体調は少し快方に向かふが相変らず呼吸は「ぜい/\」で声も掠れ、気温は少し上がつたとはいへ(摂氏12度くらゐ)小雨のなかさすがに走る気にはなれず不参加。因に今日は15年の慣例破り香港マラソンスタートに行政長官姿見せず。寝てゐるほどでもなく暖房つけ毛布に包まり日を過す。ヴィデオニュースドットコムで河野太郎氏出演の「自民党原発をやめられない理由」見る(こちら)。面白い。巷=ネットでは「河野談話」が太郎氏によるもの(笑)といふ誤解で太郎攻撃ありとか。文藝春秋三月号で芥川賞受賞の小山田浩子『穴』とハルキムラカミ『独立器官』読む。前者は毎年、芥川賞作品読了も困難なアタシにとつて珍しく最後まで読み切つただけでも椿事。マラソン走り切つたやうな達成感(……だけ)。筋はいつも携帯で誰かと連絡ばかりとつてゐる旦那と、旦那の実家の隣に住むことになつた嫁が見た不思議な世界。旦那には実は兄がゐて……といふ話で奇妙で可笑しいが安部公房筒井康隆読んできた上で今更、といふ視点。後者は相変らず。かりにこれで芥川賞の候補作となつたら、結果はだうなるのかしら。ハルキムラカミといへば「中頓別」筆禍あつたが、この『独立器官』では

ゲイだと聞いていなければ、ごく普通の身だしなみの良い青年にしか見えなかった。

……って、これはゲイ偏見で叩かれないのかしら。岩波の『世界』の今更だが昨年七月号、同社『図書』バックナンバー数ヶ月分読む。同1月号の瀬戸内寂聴『これまでの100年、これからの100年』秀逸。同誌で青柳いずみ子女史の連載が小澤征爾とジャズピアノの大西順子のラプソディインブルーのこと書いてゐてネット映像でそれを見る。マーカス=ロバーツとの同曲の名演も。これはやつぱり凄い。よくあの即興に小澤征爾とオケが合わせたもの。ひや/\だつたはず。その結果、奇跡のやうな名演が生まれる。早晩に中環。香港マラソンに参加のため日本からお越しのK氏らと軽く夕食会。恐る/\ワインを白と赤、数杯ずつ。味覚がまだかなりおかしいことがわかる。帰宅して早寝。
朝日新聞天声人語が「小さなコラムでいかめしい言葉はなるべく使いたくない」と前置きしつゝ立憲主義について晋三の理解不足に苦言(こちら)。晋三の憲法解釈の「最高の責任者は私だ。政府答弁に私が責任を持って、その上で私たちは選挙で国民の審判を受ける。審判を受けるのは内閣法制局長官ではない。私だ」といふ発言は、その拙説から野党ばかりか自民党内、保守勢力からも疑問呈される始末。「憲法は日本という国の形、理想と未来を語るもの」なんて披露できるとは……南無阿弥。

世界 2013年 07月号 [雑誌]

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