富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

丸山眞男集全十七巻揃ひ金二萬圓也

fookpaktsuen2014-02-13

農暦一月十四日。極寒続く。摂氏六度。雨模様。発熱依然ないが悪寒、頭痛、喉痛、腹瀉の諸症状でも休めず。ふと古書ネット漁ると丸山眞男集全十七巻揃ひが神田の田村書店で金弐萬圓也。嬉しいやうな悲しいやうな。誰も読まない、読む必要感じないのかしら……それぢゃこんな時代になつてもおかしくない。FCCに寄る途中、隣りのFridge Clubで反核の写真展やつてゐて入つてみると太田康介氏の撮る危険区域内の残された、死に絶へる動物たちの写真展。夕方一つ大きな打合せ無事終了。相談相手のO氏の厚情に感謝。一つ重かつた心労がなくなり自分でせめてお祝ひしたく尖沙咀のJimmy’s Kitchenのバーでドライマティーニ。一杯だけ飲んでさっと辞したいところだつたが女性バーテンダー(ここで「女性」と書くことぢたいバーテンダーで女性がゐることに対する偏見が垣間みられるか)の調合するマティーニのまぁドライさ引き立つこと。美味しいですよ、と誉めて二杯目。ペニンスラホテルのBaccarat商店。ローハンのハイボールグラス注文。明日が元宵とヴァランタインデーが重なつてゐるさうでチョコ売場でお節句チョコ売つてゐたので珍しく、それに興じる。ペニンスラホテルの三鞭酒もついでに。何だかこゝまですると気持ちがとても良くて二階のバーに。珍しくとても律儀なバーテダーとピアノの弾き語りのまぁこれも素敵なこと。グレンフィディック18年をダブルで。ピアノ弾きに鳩居堂ポチ袋でご祝儀差し上げてバーを辞す。とても快適な気持ちだつたのに尖沙咀からMTRに乗ると閉まつたドアにコートの裾がはさまれてゐたやうで不幸にもホーム側のスクリーンドアから挟まれてゐたやうで列車が動きだすなりバリ/\/\と無惨にも巨大な鉤裂きのやうに破れる。周囲の客も「あらら……」で恥ずかしいったらありゃしない。引っ張ってもダメで金鐘では反対側のドアが開き下りられず中環で幸いにこちら側のドアが開くホームに入線で脱出。太古の站のサービスセンターで事情話すと当直の站員に站務室に連れて行かれ簡単なレポートが作られ証拠にコートの写真を撮られる。はっきり弁償とはいはないが暫くして担当部署から連絡を差し上げます、と。リファレンスナンバーは、この站で0004/2014だつたので何らかの形で事故か責任賠償のやうなケースがあるのだらう。站員もけして慌てるでもなく通常の業務の感じ。このコート、もう20年くらゐ前に札幌に旅したとき札幌の丸善で購入のバーバリー。もう草臥れてはゐますが一応、当時10万円、と告げておく。さて、どんな沙汰になるのかしら。帰宅しておでん煮て飰す。書室の余りの寒さに今ごろになつて机下に新聞紙で寒風対策。
▼スポーツ観戦興味なし。ソチの冬期五輪も見てゐないがスノーボードの、日本代表の若き選手が一切「日本を背負ってゐない」のがご立派。庭球の豪州オープン女子優勝の李娜選手も一緒。スノーボードの平野選手の「最年少」が日本選手で冬期五輪なのかスノーボドでなのか何だかよくわからなかつたが「冬期五輪の日本選手で最年少のメダリスト」といふ都新聞の表記が一番的確。
NHKの経営委員会が経営委員につき「一定の節度をもって行動していく」と異例の見解。「一定の節度」の「一定」も百田、長谷川では思ひやられるが百田が「人のことを『くず』と呼んだのはほめられた言動ではなかった」とウソでも反省を口にしたのに対して長谷川は自分の見解が「ほとんどの場合、常識的な公式見解と一致しない」と開き直り甚し。さらに「常識を疑ってみる目が公正中立を旨とするNHK経営委のお役に立つ」と宣はれる。その長谷川につき斎藤美奈子が都新聞(本音のコラム)で反論。「生物学の誤用」と題して批判するのは件の

「性別役割分担」は哺乳動物の一員である人間にとって、きわめて自然なもの。

といふ、女は家で子育て、男は外で仕事が合理的といふ発言だが、美奈子さんの反論は、かういふ性別役割り分担する哺乳類はヒト以外にそないせず、性別役割分業はさらに「近代」に固有の家族形態だ、といふこと。長谷川センセイはきっと雄ライオンが猛々しくカモシカとか襲ひ雌が子育てするのでも想像したのか(笑)、だが雌も狩猟する。だが美奈子さん偉いのは批判は長谷川センセイだけでなく「生物学っぽい論法を好む方」たちで慎太郎の「文明がもたらしたもっともあしき有害なものはババアなんだそうだ」とか舛添の「女は生理のときはノーマルじゃない」発言。いずれにせよ同じ窩の狢たち、なのだが。
公明党太田昭宏国土交通相が晋三の集団的自衛権行使容認のための憲法解釈変更に関する国会答弁につき「違和感はない」と発言。公明党よ、それでいゝのか。なぜ自民党に諂ふの?……知ってるけど。
▼国境のない記者組織が発表した2014年の世界新聞自由指数。香港は4年連続後退で180カ国・地区中で61位。ちなみに2002年は18位。その後10年は30〜60の間で昨年の58位から更に後退。ちなみに台湾は50位、韓国57位で日本は59位。日本は天皇や差別に加へ自民党の政治的圧力や原発報道の制限がマイナス。で中国は175位でビリから6位。さすが。