富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

人間を信じる。

fookpaktsuen2014-01-28

農暦十二月廿八日。朝刊各紙にお洒落な、一瞬、ユニクロ?と思つた全面広告は信濃町。「人間を信じる。」は御大の言葉の通りで迷ひも感じられないが「平和と核廃絶を信じる」のアトの「。」がなぜ半分欠けてゐるのか。金澤のH君がこれを「暗号では?」と。何か?といへば「舛添へのF票のノルマは半分」と。なるほど(笑)。通りかかりで見かけた日本人学校中学部の櫻が折からの陽気で春節前に満開。お見事。河津桜で、説明によると日本の霞会館(戦前なら華族)から海外に櫻を贈る慈善事業の一環、香港は橘屋、市村萬次郎氏夫妻の仲介で贈られた由。養和病院で神経科L國手の診断授かる。鎮痛剤服すことも二日に一度ほどとなり一先ず治療終了。頸を右に振るのに比べ左は難あり、やはり頸の正面向かつて右から後頭部にかけて頸椎に難あるでせうね、とL医師。診断書に書かれた病名きちんと初めて見たらCervical Spondylosisで和訳すれば頸部変形性脊椎症。「老化により頸椎が変形する」といふ説明あり。納得。帰宅しての一杯はドライシェリー。飲むまえにグラスをきれいに磨く。
▼都新聞今日の夕刊「論壇時評」佐藤卓己先生。国民の外国語力の上昇は、その国力の低さと連動し日本の国力もう少し衰へれば文科省がグローバル人材養成など叫ばずとも英語か中国語か自ずと外国語熱高まるだらう、と。御意。充分に堕ちるがいゝ。また特定機密保護法反対につき卓己先生曰く同法制定ならまるで一般市民重罰の如き極論こそダメで=何が特定機密か知らぬ市民の「故意」が立証できるはずもなく、強引な国会運営など影響し内閣支持率こそ50%以下に下落こそしたがマスコミの論理性なき感情的キャンペーンは一時的効果あつても結果的にはマスコミの信用落とすだけ。憲法軽視反対で特定秘密保護法には賛成する長谷部康男・東大教授(憲法)の護憲論こそ「立憲主義の何たるか」示す卓論で(朝日『Journalism』1月号)人間は誤謬があるからこそ感情的な判断などリスク回避のために憲法96条のやうな高いハードルがある、と。御意。樋口陽一先生の指摘するところも此処。古典的な国民国家からEU的な国境の意味低下するゆるやかなポストモダン国家への変化。

異民族を含む自国民を同意の調達によってではなく強権的に支配するプレモダンの「帝国」が隣にいることは日本が時計の針を逆回転させ古典的国民国家として行動すべき理由にはならない。

と(誰の引用か記事中ではわからぬがw)その通り。
▼昨日のThe GuardianにあつたLarry Elliott記者の記事“Davos 2014: looking back on a forum that was meant to look ahead”これは必読(こちら)。
▼バイオリン奏者黒沼ユリ子さん最後のリサイタルが十七日に紀尾井ホールであつた由。天皇皇后両陛下もお聴きになつた。この方のバイオリンを聞くより先に岩波新書の「メキシコからの手紙」を中学のとき先生に勧められ読んだのがアタシの初めての岩波新書
播磨屋の老名女形吉之丞さんご逝去。享年八十一。アタシにとつては昭和の木挽町で万之丞さん。哀悼。