富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2014-01-08

農暦十二月初八。曇。湿度高。養和病院でMRIは確か二度目、と思つたがCTスキャンはしたことあつたがMRIはお初。相変らず「ここは飛行場のラウンジ?」てな感じの待合室、診察着を羽織りMRIのお部屋へ。造影剤の点滴。MRIがとても耳障りだから防音用にヘッドフォン宛てがはれ喜多郎みたいなマインド系音楽流れるが、それでも機械が騒々しい。それでもついうと/\と睡魔襲ひ、熟睡ではないが意識失ふやうに心地よく自分の鼾で覚醒するほどで、ありゃ頭部動かさぬやうに睡眠誘導のやうな軽い麻酔でもされたのか、それがさうならきちんと同意書など必要なはずで何が何だつたのか、いずれにせよ大変心地良い夢見気分の45分は検査終はつて何て快適なこと。すつかり疲れがとれた、といふ感じで晝から夜まで欠伸一つ出ず。今晩もアルコールなし。晩ご飯のあとに金澤は中田屋のきんつばいたゞいてお茶一服。幸せ。RTHKのRadio-4でデンマーク国立交響楽団、ファビオ=ルイージ指揮でベートーベンのピアノ協奏曲5番(ピアノはIgor Levit)とマーラーの5番聴く。昨晩は昨年のGeorge Enescu Int’l Festivalの実況録音でルツェルン祝祭管弦楽団、ジェイムズ=ガフィガン指揮でドヴォルザークのチェロ協奏曲(チェロはTruls Mørk)と6番を聴く。欧州のオケで聴くとドヴォルザークとかマーラーソウルミュージック=演歌に聴こえるよね。
▼日経が1面トップで!「ATM、アジアと接続へ 預金引き出し 現地通貨で」と恥ずかしい報道。「邦銀・NTTデータ まずタイ・韓国の30行と 大手銀行とNTTデータはアジア各国の金融機関とATMを相互接続する検討に入った。アジアから日本を訪れる観光客が地元銀行のキャッシュカードを使って日本のATMから円を引き出せるようにする一方、日本人がアジアを訪れる際も現地通貨を入手できるようにする」と大喜びだが、そも/\アジアではベトナムだつて郊外の銀行支店でも海外の銀行口座からVt₫で現金引き出しが出来る時代に「日本だけ」取り残されてゐたもの、しかも日本では銀行がこのサービス網に入らないなか郵貯が早々と参入して、もう何年も前から主な郵便局で外国の銀行口座から日本円で引き出しが出来てゐるのに(こちら)。なんだか的外れな記事。さすが日経さんだわ。
やしきたかじんに続き香港では香港映画とテレビの首領、邵逸夫(SIr Run Run Show)逝去。齢百七。生まれたときは未だ清末で宣統帝(末代皇帝溥儀)即位の前。その後の民国、北伐、戦乱、国共内戦といふ時代を経て戦後は南洋に下り香港での映画黄金時代と、その後のテレビ界進出。テレビ業界では芸人をテレビ局がプロダクション的に囲ふ香港独自のヘンな制度敷く。つまらないので全く見ないが。Run Runといふ一風変はつた英語名は、戦後の香港映画黎明期に自転車に映画フィルム積んで映画館に届けてゐた邵逸夫が、いつも「さぁ走るぞ、走るぞ」と掛け声威勢よく、で、この英名になつた由。今や映画もテレビも斜陽の時代、この方は当然のやうに不世出の芸能の首領。