富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2013-09-04

陰暦七月廿九日。今朝も涼しく、といつても気温摂氏25度くらゐだが寒さにタオルケットかけて寝てゐた。朝のシャワーも夏のあひだの冷水から温水に。やはり風邪気味。悪寒。昨日は八月に新宿伊勢丹でお買ひ上げのサマーカーディガン、今日はユニクロの八分袖のウールのTシャツをセーターがわり。冷房はかなり弱めの官邸でC嬢に「見てゐるだけで暑い」といはれる。気がついたらシャツからズボン、下着から靴下まで全部ユニクロな今日。早晩にC医師の診療所。少し涼しくなつて風邪引いた、とC医師に告げると「一つも涼しくなつてゐない。それで悪寒はFluだ」とC医師。冷房使つてゐないので微妙な温度差に敏感なのだ、と言ふと一日中冷房のなかにゐる自分に比べ、と感心される。血糖と血圧は公立病院だがC医師もセカンドオピニオンをくれてゐて処方薬でGlucophageに加へJanuviaも服用中と知らせると、この二つの薬の併用は望ましいがジュヌヴィアは高価だろう、とC医師。だから普通はGlucophageだけでいゝなら勧めないが冷房もつけず電気料金が節制できてゐるからいゝか、と笑はれる。晩に手羽先とキャベツの鍋。C医師に処方された咳止めシロップ少し多めに飲み熟睡。
▼觀塘老舗雀荘「鶏記」閉業。この老朽化した旧市街の再開発、市建局取り組むプロジェクトでは史上最大規模。裕民坊、輔仁街、仁信里、仁愛圍と月華街に及ぶ5.5haの土地にある1,650のビル所有者、(意外と少ないが)5千人の住民と520軒の商店が影響受け、市建局は2008年12月から土地買収始め現時点で9割官僚して、ほぼ全ての住民が既に退去。戦後の闇市がそのまゝ残るような仁信里のマーケットでは28戸が立ち退きに応じず抵抗で賠償金増額、まだ3戸が徹底抵抗の由。この雑多な旧市街が何処にもである変哲なき高層ビル街になると思ふとウンザリ。鷄記の鶏の図案が可愛い看板は「老闆計劃把店外霓虹燈招牌捐給西九龍文化區M+博物館」ださうな。
▼今日の朝日で「言語法」で日本語を守れ、と外来語氾濫に筑波大学の津田幸男教授。「なぜ「ライ麦畑でつかまえて」の新訳が「キャッチャー・イン・ザ・ライ」になるのか」と指摘。これはそも/\“The Catcher in the Rye”の書名邦訳を「ライ麦畑でつかまえて」としたのが異譯。ハルキムラカミはそれに気づいて、そのまゝ「キャッチャー・イン・ザ・ライ」にしたのではないかしら。意譯するなら本来「ライ麦畑の捕え手」なのだ。
改憲派の良心・慶應小林節教授(憲法学)が都新聞「五輪招致は複雑な国家間の争いで国内でも賛否がわかれている。そんな場に皇族を送り出すのは政治利用であるのは明らかで論外」「日本人はとくに皇室の権威といった雰囲気に流されやすく、皇室の政治利用は危険だ。今回の件が先例となり、皇室の政治利用がなし崩しに進む恐れがある」と。御意。
▼都新聞投書欄に東京都板橋区在住、中学生十五歳の白石君の投書「五輪よりも被災地復興」

そんなことをしている場合じゃないだろう。「2020年のオリンピックを東京で開催しよう」というキャッチフレーズを見るたびに思う。もっとすべきことがあるのではないかと。一昨年の東日本大震災の復興は思うように進んでおらず、福島原発事故の汚染水問題なども深刻だ。橋やトンネル、ビルなどの老朽化問題もある。さらに近年中には、巨大地震が起る可能性が高いともいわれている。そんな最中に国を挙げてスポーツ大会を開催するのはどうかと思う。完成したらオリンピックスタジアムと名を変えるという国立競技場の修理などに復興予算が流用されることも発覚した。確かにオリンピックを生で見てみたいとは思う。だが、今やるべきことはオリンピック開催ではなく、被災地を一刻も早く復興させることなのではないだろうか。