富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

「去中国化」「本土派」

fookpaktsuen2013-06-12

農暦五月初五。端午節。朝:カレー。強い処方薬服用に身体怠いまゝ終日休養。鼻汁歇み喉の痛みも和らぎ如何にか声出るやうになるが頻りに咳ひどく頭痛もあり。新聞読み三昧。考へて見ると紙で蘋果と都、網上で紙面ビューワーありは朝日、日経とIHT(このIHTはeReplicaといふのが素敵)、デジタル版で定期購読は信報、FTと最近話題のThe Guardian=衛紙はiPadのNewsstandで出始めた頃から、それに忘れるくらゐ読んでゐないがSCMPで日に九紙。全部読めるはずがない。必読順でいふと蘋果、都、信報、朝日、IHT、FT、日経、衛紙、SCMPかしら。昼:カレーうどん。薬の所為でくら/\しながら岩波『図書』五月号読む。「健三郎の定義集は何だかさっぱり判らなかつた」と昨日綴つたが、この人の『図書』の連載「親密な手紙」の「ボーヨー、ボーヨー」が実に面白い。子どもの頃に亡父の遺品の漢和辞典に「読書亡羊」(荘子)といふ熟語見つけ消しゴムにそれを彫り蔵書印にするなんて、なんて凄い健三郎少年。晩は、昨晩から三食もカレー続き遉がに飽きて納豆でご飯。窓開けてゐると肌寒いほどの涼風。
朝日新聞で「政治改革20年」と題して「小選挙区制、浮かぶ功罪」といふ特集あり。小選挙区制について「小選挙区制は大失敗だった。こんなに死票が多く、民意が切り捨てられてしまう政治は駄目だ」(河野洋平)、森さんは政治に金がかゝらない仕組みになつたとはしつゝ「小選挙区は失敗。議員の質が下がった」と。「二十年経てば政治改革も政界再編もはっきりと形が見えてくると思い込んでいた。今の日本の政局は、一層混沌を深めている感じすらある」といふムーミン武村。せめて小選挙区が250議席なら良かつたのに自民党の300議席呑んだのも失敗。かついつて中選挙区のまゝだつたら今より政治が良くなつてゐるか、といへば怪しいところ。
▼香港の新聞で「去中国化」「本土派」の言葉よく目にするが理解が厄介。「去」は下手に中国語の素養あると“go”で「中国に往く」でまるで親中派のやうだが、この「去」は「除去」の去で取り除く、日本でいへば宣長のいふ「唐心を捨て」で陳雲氏の「城邦論」(香港都市国家論)に近い中国から香港分離で去中国化。本土派も「本土」といふと大陸のやうだが香港本土=地元派。以上覚へ書き。

米国の世論調査(10日、ラスムセン社)で政府による通話記録収集反対は59%で(そんなものか)「テロ捜査はプライバシー保護より重要が62%ですって。気違ひ社会。テロに遭ふ確率の低さと自己のプライバシー侵害の事の大きさの比較も出来ぬとは。ところで、この暴露、日ごろネット制限・検閲非難される中国が習近平訪米に合わせた対米工作との噂あり。「中国で唯一報道の自由ある香港」が暴露場所に選ばれたとか。