農暦四月初八。佛誕。朝の雨を厭ひつゝ家を出たときは丁度、小雨でタクシー雇ひＺ嬢と香港站。エアポートエクスプレスで空港に行き午前８時15分チェックインで30分後に搭乗開始のCX530便台北行きに間に合ふから（荷物も預けて）。たゞ空港の滑走路が天候の関係か一本しか使へておらず搭乗後に「離陸が遅れます」と機長。結果、離陸は90分後！で台北へのフライト時間と同じ時間。台北に着くまで冷凍庫の如く寒い機内。帽子、マフラー、マスクにジャケットでブランケット被り、かなり異様だが仕方ない。台北に着いてもすつかり凍えて体調不良。昼過ぎに空港バスで台北車站。MRTで中山國中。錦州街の丁家樓で先づは牛肉麺。
民生東路三段のThe Sherwood Taipeiに下榻。それなりのホテルだと（地下鉄とか站近くでもないのに）荷物引きづりながら歩いて来る宿泊客にドアマンも「あれ？」といふ感じ。Leading Hotels of the Worldのメンバーシップで初見参ながら客室格上げで行政客房に通される。いはゆる「次の間」あり左が広い洗面所と浴室、右が客室で広い上にウォークインのクローゼットも。下手なけば／＼しさなく良質のホテルだが交通が不便なのが難。MRTは中山國中だが文湖線なので国内線の松山空港と台北動物園に往く以外は何処に行くにも忠孝復興で板南線に、而も地下鉄から空中までの乗り換へが不便。さて出街。Ｚ嬢が市中西北の迪化街に往くといふのでMRTだと至極面倒だし歩かねばならぬ、でホテルの前を圓環往きのバス（518系統）が通り過ぎるので、それに搭る。中山北路でＺ嬢と別れMRTで台北車站。明日朝に瑞芳に向かふ自強号の切符購ふ。すでにどの列車も爆満で立席特急券。MRTで石牌。行義路上り硫黄温泉の露天風呂に浸かる。日暮れて山を下りMRTで民権西路乗換へで松江南京。Ｚ嬢と待合せの時間に10数分あつたので近くのコンビニで台湾麦酒独飲。台湾のコンビニは必ずカウンター席あるが一応は「禁酒」。冷たすぎる台湾麦酒。麦酒は冷たすぎると美味しくないが台湾で「ぬるい」麦酒も美味しくない。Ｚ嬢と四平街の四平小館に飰す。酸菜鍋で白肉（豚バラ）など煮る。ここからホテルまで南北でいへば建国高速潜り復興北路の先、東北に３km近くあるが満腹のあとの漫ろ歩き。
▼台湾は道路に大陸の地名や、三民主義、儒教など「いかにも」な仰々しい道路名など並び台北のMRTの地名は南京だの敦化、忠孝に復興、新生、民権……と仰々しすぎるが、逆に大陸では中共当局が北京や上海の大学に講義などでも使はぬやう「禁句」通達あり、それが「普遍的価値」「公民社会」「公民の権利」「司法独立」「報道の自由」等等。更に「共産党の過去の誤り」やと一党独裁で権力と資本が癒着した「権貴資産階級」もダメ。となると台湾の民権路や博愛路もアウトかしら。
▼全人代の張徳江常務委員長が香港の御用政党の訪問団と会見した際のコメントについて香港では一般的に一国両制無視した介入と言はれるが「金融危機の影響で香港の一部優位性は低下し始め、香港各界は警戒心を高めなければならない」などと言及した点につき（あまり読んでおらず取り上げる機会もないが）香港ポスト紙（五月十日号）で指摘してゐる通り「政治的対立で疲弊」、これは紛れもない事実。何もかもが政治的対立になる不条理……いや、香港では必然なのだが。
