富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

アベノミクスで経済を学ぶ(嗤)

fookpaktsuen2013-03-03

農暦一月廿二日。朝日と日経はすつかりiPadの紙面ビューワーで毎日きちんと読む習慣ついたが、あたしとは主義主張は全く相容れぬ読売新聞、ソ連プラウダ紙並みに世界一の発行部数のこの新聞が何故、デジタル化はかうも遅れてゐるのかしら。今どきデジタル版が紙ベースでの購読者対象のみの特典。さらに香港なんてあれだけ読売の関連会社が拡販に孤軍奮闘しているのに海外の購読者にはこのデジタル特典なし、というオマケつき。二月が短くて(といふ言ひ訳で)仕事終はらず日曜だが官邸でご執務。その合間に朝日、読売、日経と日曜なので読書欄読んだが読書欄でいへばやはり朝日が一番面白い。だが紙面ビューワーでいへば日経に一日の長あり。書評で「読んだつもり」で原著買はぬと書評は邪魔なものになつてしまふが『中国台頭の終焉』(津上俊哉著、日経、評者:原真人)が面白さう。中国が10年以内に世界一の経済大国になる、といふ予想に対して中国は国有企業の非効率、地方財政の闇、間近の超高齢化などあり中国が経済規模で米国を抜く日は実現しない、といふ。だが希望は「現在の日中対立の背景には「世界一の経済大国」を見据えて傲慢になった中国と、その中国巨大かに底知れぬ恐怖を抱く日本という構図」があり「だから双方が中国経済の真実を知れば互いの経済を傷つけあっている余裕はないと知るはずだ」といふ。御意。帰宅して早晩に早酒でビデオニュース・ドットコムで水野和夫教授(埼玉大学大学院経済科学研究科客員)による「経済成長という呪縛からの解放」(こちら、この番組解説だけでも一読の価値あり)の番組眺める。アタシが昨日この日剰に浜田センセイの発言についてコメントしたものの、やはり経済のことは門外漢だと何か自分の理解が足りないのではないか、とどこか自分に自身がないのだが、意外と自分の指摘が水野先生の発言に近いものなので驚く*1。これも晋三は大嫌ひだが晋三のアベノミクスのおかげで苦手な経済についてかなり知識がついたのだ、晋三、多謝〜!である。これに続いて佐藤弁護士が緊急出演で遠隔操作ウイルス事件「片山さんは犯人でははない」を見る(こちら、無料放映中)。警察が備考の段階で片山さんが容疑者の一人であることがメディアに出てしまひ逮捕急いだだの、片山さんの母親の保護を名目に警察がこの母親のアパートの鍵まで預かつてゐる、というのだから、警察にもかなりの問題があるが、それにもましてサトベン(佐藤弁護士)が憂ふのはマスコミが警察の記者クラブの蜜月関係でリークを受けたら書かざるを得ず、ペンやマイクが人を殺すことの怖さ、母親に息子との縁切り状まで書かせてゐることを主要メディアは一切書かず、さうしたマスコミの立場こそ問題あり、と。佐藤弁護士は刑事裁判の難しさを挙げ、犯人への罪状が惨いから、警察、検察、裁判に問題があると思ふから容疑者に不利にならぬやうに弁護するのケースが多いが、今回の遠隔操作ウイルス事件では弁護士の立場で片山さんが明らかに無罪だと確信するから、これが明らかに警察の無理とマスコミのその誤った報道があるから、検察もこの警察の操作に無理を感じてゐるから、だから無罪と確信してかうして弁護士の立場で大いに語るのだ、と。番組(収録は2日)のエンディングで、さすがに警察も翌日(3日)が拘留期限で再逮捕は無理だらう、とサトベンですら楽観的で安心して見ていたが、この番組終はつてニュース速報見ると、今晩、JAL爆破予告の件で片山さん再逮捕、とニュース流れる。あら、まぁ……何だ、これは。
▼ほとんど読まぬ新聞のスポーツ欄だが開いてみると世界各地の蹴球試合のデータ満載は、これは香港での博打のため、だが水戸蜀葵vsと草津温泉なんてネーミングだけでも面白い。ザスパ草津がThe Spa Kusatsuで草津温泉は素人にもわかり易いが水戸ホーリーホックは多少お勉強必要でHollyhockは英語で「葵」。だがなぜ、それが「蜀葵」なのか、と。まづ中国語でタチアオイの古名が蜀葵。葵はわかるが蜀は何か。「蜀」といふと国名だが「つらなる」の意味もあるやうで、これはアオイの花は「つらなって咲く」イメージなのかしら、と顔本に書くと水戸の畏友J君が「玉蜀黍はなるほど連なっている」と。御意。遉が。「葵」といふと徳川はんの家紋で花より葉のほうが印象に強いが葉も三つ葉なので触(蜀)つてゐる感じで「蜀葵」は漢字の印象的にいゝかも。J君曰く、葵の三つ葉三河起源と陽数説あり。このへんの花草木のことばについては畏友村上湛君に尋ねると面白いはず。

中国台頭の終焉 (日経プレミアシリーズ)

中国台頭の終焉 (日経プレミアシリーズ)

*1:浜田センセイの指摘のなかでもミニマムの成長戦略といふ観点は大切。