富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

安倍煽風點火

fookpaktsuen2012-11-19

農暦十月初六。咳が歇まず悪寒もあり早晩にかゝりつけC医師の診療所に寄り薬の処方受ける。夕餉はポトフ。Dog PointのSection 94(2010年)飲む。テレビにApple TVつながってゐることふと思ひ出しオンにしてみると、まぁ映像ストックの多いこと。偶然にJohn Maedaなる方のメディア論を見る。プレゼンテーションってかういふものなのね。週刊読書人(十一月九日号)の若松孝二監督の追悼記事読む。足立正生荒井晴彦の両氏がまさに歯に衣を着せず「これが追悼記事?」と思ふくらゐいゝことも悪いことも語るのを読む。若松監督なら「まったく……」とあの世で嗤ってゐるだらう。カウンターカルチャーアウトサイダーであった若松監督が何だかだん/\巨匠化するのを「ゆけゆけ二度目の処女」あたりが好きなあたしも何だか複雑な気持ちで見てゐたが「本来なら商売にならないことが若松さんの場合、商売になっちゃった」「朝日やNHK反戦を主張するメディアにかり出されて反戦平和の騎手、社会派の巨匠になっていった」「それはそれで本人も嬉しかった」「『キャタピラー』の女の主人公はなんだったのかな」と両氏。若松監督は実は「右でも左でない」わけで近作『11・25自決の日』も足立氏は「昔みたいにスキャンダリズムで俺は三島が嫌いだからこれを撮った、と言ったほうがいい。小説も読まない、だけど、三島が自決して日本国を変えたいという思いがあったことは認めるから、この映画を作ったと言わないと辻褄が合わなくなるよ」と若松監督に言ったといふ。よくわかる話。『11・25』は思はぬ誤解であたしはチケットがあるのに見逃したが(今月三日)トレーラー見るかぎり「見なくて良かった」加茂。辛口の若松追悼が続くが、それでも足立氏が「『実録連赤』以降の世界的評価、言ってみれば若松バブルみたいなものは、そうは続かないだろうなと思っていたんです。バブルが弾けたあと、もう一回何かやるんじゃないかと思っていたけど、今度のような亡くなり方をして、非常に残念」と一言。その通り。
▼信報の社説が「日股升圓滙跌 安倍煽風點火」と題して

可以說,安倍的冒險性政策主張,無論在政治外交或經濟層面,都帶有強烈的「煽風點火」味道。敦促央行大規模貨幣𥿠鬆,扭轉圓滙高企,此舉恐怕會引發市場更大的投機行為;對加稅的質疑,削弱外間對日本整頓財赤的信心,一旦債務總額超逾GDP兩倍的情況惡化,亦有機會引發外間對日圓債券資產喪失信心,引火燒身。(略)日本要走出政治混亂與經濟衰退困局更為艱難,只能繼續沿着國運式微之路走下去。

と日本の政治経済に苦言。御意。日本の新聞の社説に(赤旗と東京を除けば)こんな辛口の主張が見られないのが悲しいところ。日経(十八日)の社説「民の力を生かす経済再生戦略を」なんて相変はらず言語明晰意味不明(こちら)。蘋果日報では更に盧峯氏が

30年代的絀國選民對納粹黨及希特勒也沒有太多好感,甚至把他視為小丑。只因內憂外患深重,主流政黨又拿不出甚麼魄力及辦法,選民才讓納粹黨試一試,希望打破悶局。這一試的結果如何已非常清楚,不用多談。日本的右翼政黨也許沒有納粹黨那樣可怕,但政經狀況低迷的日本着實成了右翼政黨、政客冒起的溫牀。

と日本の政治状況を憂ひてゐる。日本が戦後、培ってきたものが……なーんて言葉すら(笑)になってしまふのが悲しいが自民党に丸投げから民主党政権交代に踊り、その結果が維新の会か、と思ふと本当にこの国の政治は全くダメ、経団連だって少しは期待した経済同友会だって財界も本当の意味で国を動かすだけの政経ベクトルが働かず、丸っ切り「終わってゐる」。復活どころでは、ない。ところで先日、この日剩に紹介した信報の畢老林「投資者日記」にあった“Sayonara!”がちゃんと読みたい、といふ方がゐたので「こちら」に、そっと。