富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

日本人對細節的執着和不可思議的想像力,的確世間罕見

fookpaktsuen2012-11-15

農歴十月初二。早晩に九龍站のICCに往く。リッツカールトンホテル118階!のozoneなるバーで独酌。ドライマティーニ二杯。年をとるのもいゝものでバーなど若い頃は「この若造が」と思はれたのに今では一見でもそれなりに慇懃な対応されるから。けふび稀なる好感もてるバーテンダー君一人。二杯目のマティーニは彼は「評価されての」と理解してお点前もかなり緊張してゐるのが凛々しい。118階のこのバー、カウンターは悪くないが見晴らし台は大陸の田舎漢多し。この118階からホテルロビーの103階まで下り、更に一旦このICCビルの下までエレベーターで下り今度は101階のレストラン街まで上る。かなり遠回り。仙台U氏ご夫妻のお招き受けZ嬢と四人で「田舎家」に飰す。此処の炉端焼きは「世界で一番高い」と噂されるのはビルの階数?値段? U氏から資生堂パーラーのチーズケーキいたゞく。帰宅して包装紙がきれいなので文庫本のカバーに。選んだ文庫本はサン=テグジュベリの『夜間飛行』堀口大學譯。顔本でU氏が高校時代に電車通学で読む文庫本のカバーにこの資生堂パーラーの包装紙使ってゐた、と。それも足穂の「一千一秒物語」。実はアタシも包装紙で文庫本カバーを、と思って迷ったのが足穂のそれか、夜間飛行。この包装紙が似合ふのはこの二冊。作家ごとに似合う包装紙の文庫本カバーを考えるのも一興。それでネタに酒が飲めそう。梶井基次郎丸善、なんてんはどーでもいゝが、幸田露伴に「とらや」とか、森茉莉高島屋とか。荷風は羽二重団子、とすると鏡花は長命寺櫻餅の包装紙(こちら)なんてきっと素敵。
▼十八大閉幕。胡錦濤が総括のスピーチするなか、さっさと会議資料片付け帰り支度の江澤民(笑)。
▼信報の畢老林「投資者日記」で“Sayonara!”と、題からして日本の経済力への三行半と解るところ。阿部寛主演の映画「テルマエ・ロマエ」を見ればわかる日本の「技術力」と創造性。日本人はやたらそれを誇らしげに自負するが畢老林は「シャンプーハット」が本当に必要なのか、と。日本の経済力の低迷のなか日本企業の技術も創造性も「擇善固執」そのもの。TOTOの便器センサーによるサッカーのゴールキーパーも然り。便器はあくまで排尿、排便のための便器で、それになぜここまで技術力が要るのか。ソニーのハピネスカウンター(こちら)もこれで何が癒されるのか、日本人以外わからない。「日本人對細節的執着和不可思議的想像力,的確世間罕見」とはまさにその通り。