富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

「反日」を抱きしめて

fookpaktsuen2012-08-20

農暦七月初四。官邸でわけあつて預かり育てゝゐるグッピーが産卵、1mmにも満たぬ幼魚数匹をり。浮き草の繁る水槽の隅に隠れるやうに生息、その本能の術に驚くばかり。早晩に銅鑼湾のエクセルホテル地下のディケンズバーに麦酒一飲。誠成書店のあるHysan CentreにA&Fの出店あり上半身裸の青年がわい/\と騒ぐ女客とお気楽に写真撮影。世の中、ノーテンキ。裸姿で服が売れるのだから大したもの。韓嘉嵐といふ韓国料理屋で広州H氏らと食事。竹島=独島巡り日韓関係をかしくなつてゐるがワタシの下手なハングル読みに韓国人の給仕の若衆親切に丁寧で民草は仲良くできるのにねぇ。まだ二更にも至らず帰宅途中にH氏とまだ少し食べれますね、と北角の寿司加藤。寿司をつまみ更に太古城のホテルイースト屋上の(頑に未だ「会員制」といふことで客の質を保とうとする)バー・シュガーで夜景眺めつ一飲。
▼昨日に続き陶傑さんの「「保釣」問答盲區」(蘋果日報)を紹介。

ギリシア思想に「パラドクス」があるが「保釣」勇士が「釣魚台」海域からFacebookに現場報告をばアップデートしてみたり、レーダーの故障で携帯で香港マスコミに連絡をとり島への航路をネットで確認してもらつたりしてゐたが、もし釣魚台が日本の行政管理下でなかつたら、NTTの電波が入らなかつたら、どうやつてFacebookに繋がつたのか、もし中国領だつたら政府がFacebookを封じてゐるし表現の自由もない。それでも中国領土がいゝのか、と。そも/\「勇士」の一人、香港人の曾健成(阿牛)は中国への回郷証すら中国政府に没収され国内に入れないのに、なぜ「中国領」の釣魚島に入れるのか。阿牛は英雄でもなく、深圳羅湖の口岸で国内に無理矢理入境しようとして拒まれてゐる一人の香港の反中反共分子にすぎない。「保釣」がさらに深化すると、これは面白いが、実は中国のさまざまな矛盾への挑戦となる。深圳反日デモで中国人が日本車をひっくり返してゐるが、あれも日本車だが中国の公安のパトカーだろう、反日なのか反中国政府なのか、後者なら国家顛覆罪、反革命罪、それで英雄か。

と。陶傑さんらしい執拗に矛盾点羅列の筆致。日本人の立場で読んで溜飲下がるかもしれぬ、が、これはあくまで中国人が中国人の矛盾点を述べる点で実に魯迅的な思考作業であることに留意すべき。日本人だつて逆に陶傑的に罵詈雑言を浴びざるを得ぬ点はいくつもあり。

為了掩蓋權鬥真象,為了轉移國民視線,把國民的矛頭轉向外頭的敵人,中共大有可能訴諸民族主義情緒,而最方便、最容易的目標正正是充滿新仇舊恨的日本。(略)只是,民族主義情緒是一頭不易馴服的「猛獸」,加上中國社會不夠開放多元,很容易走向過激及尾大不掉的情況,既危及社會穩定,又損害與鄰國的長遠關係。中國政府可不要隨便揮舞民族主義大旗,可不要把這頭「猛獸」放出來,不然將會對自身及他人造成重大傷害。

今日の蘋果日報の蘋論(社説)も反日といふ名の「猛獣」について述べてゐる。民族主義煽ることはパンドラの匣をばひっくり還すことになる。