富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2012-07-06

農暦五月十七日。早晩に散髪済ませ北角の寿司加藤。喜久水独酌。Z嬢と住家菜に飰し新光戯院。今度こそ廃業のアトに三度目?の再開で今晩は「新光演義」と題し若手の粤劇有望格なる陳楚鍵と江駿傑がこの芝居小屋と粤劇語るさうで面白さうなので参観。だが結果、寸劇風のネタは練られきつてをらず残念。途中で場を辞す。
▼芝居といへば澤瀉屋が八年半ぶりだかで舞台復帰は演舞場で楼門五三桐。名代で五三桐といふと亡くなる前の紀尾井町の窶れた姿での山門楼上思ひ出すが、今回の「絶景かな、絶景かな」は海老蔵澤瀉屋は真柴久吉役であまりに顔見世的。異例のカーテンコールで澤瀉屋に付き添ふ黒子が面を露はにせば中車で……コメントなし。
▼香港政府の平等機会委員会主席の林煥光、測量梁政権の行政会議代表に推挙され本人も就任の意志が一転して「独立組織たる平等機会委員会と行政会議トップ兼任は職務上利益衝突あり」理由に行政会議成員にならぬとしたところ舌も乾かぬうちに発言撤回。何とも不安定。林煥光氏、政府高官のなかでもかなり優秀で温厚な人柄も評価高し。董建華政権で行政長官辦公室主任(内閣なら官房長官)だつたが2005年だかに愛人との六本木プリンスだかで不倫現場をば八掛マスコミに暴露され「個人的理由」で辦公室主任職辞す。それでも彼の行政手腕評価高く08年には北京五輪で香港開催となつた乗馬競技の執行部トップとなり公職に復帰し2010年から平等機会委員会主席。実際にこの職でも功績あり。それが今回の辞任騒動「職務上利益衝突」理由にしてはみたが実際には測量梁の不人気見て早々に「距離を置く」魂胆か、と噂あり。それも05年の桃色醜聞も董建華は林の慰留に熱心で普通なら職に留まるところ林は董建華の為体でさつさと董政権から離れた「前科」もあり、と。
▼香港での狗も喰はぬ愛国教育。香港政府教育局が出資する國民教育服務センターとバプティスト大学が提携して作成した『中國模式國情專題教學手冊』なるテキストがあまりの偏向ぶりに非難轟々。「中国モデル」は世界的に注目され一党専政は「進步、無私と団結」なんださうで一報、欧米の自由市場的「華盛頓模式」はラテンアメリカの政治的混乱見れば明かな通りモデルとしては失敗で米国の二党政治も「政黨惡鬥,人民當災」の結果生んでいる、と(笑)。四川汶川大地震には触れこそすれ「豆腐渣工程」や死傷者数には触れず、たゞ災害救助誉め「共赴國難」謳ふ由。呆れて言葉もなし。
▼昨晩、水戸芸術館(迂生母校跡地)で吉田秀和先生お別れ会。母が招かれ参加。