富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2012-04-08

農暦三月十八日。村上湛君の日記で今日が灌仏会だと知る。えっ、と思つたが日本では新暦なのね。もと/\は旧暦の四月八日。日本はひな祭、灌仏会端午節、盂蘭盆会、十五夜……みんな太陽暦にしちまつたんだから明治政府のドラスティックぶりは大したもの。何でも太陽暦にしちはふは、学校まで無理矢理に会計年度に合わせて四月始業にしちまふは(こんな暴挙が出来たのは日本だけ)、湛君も書いてゐるがソメイヨシノ植えて四月=入学=桜なんて、やる方もやる方だがそんなのを無節操に受け入れてしまふ国民性が戦争になれば(内心は別にして、が厄介だが)お国のため、となり戦争に負ければさぁ民主主義と喜び懸命に働き高度経済成長成し遂げたが不況になれば何ら策もないまゝ他国から呆れられる国政は小泉!、石原!、橋下!といふ思慮なき選擇に繋がるから。イースター連休の日曜日。数年前までなら香港映画祭で日に四、五本と映画見続けてゐたが、ここ数年、見たい映画に乏しい。朝、ジョギングしようと思つてマンションの外に出たら雨が本降り。結局、今日も官邸でご執務。まだ追っかけ仕事続く。燈刻にジムで三十分だけ走り帰宅。有機の野菜だけで夕食。Ch Cantemerle 08年少し飲む。
▼今日の朝日の天声人語。肉食について。レバやユッケなどの生肉喰ひが問題になつてをり、それが緒になつてゐるのだろうが

肉料理を書いてうならせる本は多い。近刊ではカナダの旅行作家、マーク・シャツカー氏の『ステーキ! 世界一の牛肉を探す旅』(中央公論新社)だろう。例えば神戸牛はこう描かれる。「牛肉ならではの甘くて木の実のような風味がしたものの、温かいバターでコーティングした絹糸よりもなめらかな食感と比べると、それすら付け足しみたいなもの」(野口深雪訳)。この幸せ、肉を焼くという手に気づいた先人のお陰である。

と書き出し「肉食はタブーと偏見に満ちている。食べる食べないに始まり、動物の序列や調理法は万別だ。だが〈味わいは議論の外にある〉ともいう。食の始末はまず、自分の舌と胃袋に任せたい。地球で一枚目のステーキを焼いた、無名の原人のように。」で終はるのだから肉食をば忌み嫌ふイースターの最中に(笑)肉食礼讃。それにしても上記の『ステーキ!』の引用「牛肉ならではの甘くて木の実のような風味がしたものの、温かいバターでコーティングした絹糸より滑らかな食感と比べると、それすら付け足しみたいなもの」が意味不明。「温かいバターでコーティングした絹糸の食感」は普通、口にしたことがないから知らぬ。文中の「それ」は何か?風味か?……食感は風味にも勝る、と。邦訳もちょっと怪しいが前後の脈絡なく、そこだけ引用した人語子の下手さ。