■

農暦三月十二日。午後急な仕事で深圳へ。国貿の蕎麦人に二色蕎麦。香港にもこんな手打ち蕎麦屋があればいゝのに。夕方、老街東門町の繁華街で重慶酸辣粉も頬張る。これがけっこうクセになる。免税で養命酒購ひ香港に戻る。八日ぶりに自宅で夕食。ハヤシライス。自宅での晩酌は基本的に止めようと思つた。まぁもと／＼せいぜい缶ビールなら一本、日本酒一合、焼酎二杯程度なのだが生活習慣改善といふことで。養命酒飲んで熟睡。
▼行政長官選挙前からの信報、殊に林行止専欄を拾ひ読み。地下党員梁に対する強烈なる嫌悪感。アタシは測量梁の場合、最初からこの人の政治背景も姿勢も明らかな上に就任前からのこれだけ支持率と信望低ければ当然ながら本人がこれ以上、市民に嫌はれる施政するはずもなく寧ろ想像よりマシなのでは？と少し楽観的。少なくても棚ボタで間違ひで行政長官になつてしまつた小役人たる文革曽のやうな旁若無人で「何をやらかすかわからない」危険性はない、と思ふ。
▼朝日（文化欄）で『通天閣』上梓の酒井隆史氏（社会思想史、大阪府立大）と濹東の下町でスカイツリー見物の記事あり。二つ気になつたことあり。一つは「玉の井は（略）浅草十二階こと凌雲閣の根元にあった私娼街から派生したとされる」といふ記述ともう一つは「旧玉の井も今は大部分が健全な下町のたたずまい」。前者は「派生」なんて抽象的な表現するからやゝこしい。十二階のあたりにあつた銘酒屋が震災で焼けて玉の井に移つた、と素直に書けば良い。後者は「健全な下町」って何よ。気持ち悪いなぁ。それに旧玉の井のどこに今でも一部、不健全な場所って何処？