富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

北京之春

fookpaktsuen2012-03-26

農暦三月初五。朝七時に香港空港に着いたら中国国際航空のチェックインカウンターは長蛇の列。いかにも香港から桂林や麗江西安に行きますといつた感じの西洋人多し。八時半のフライト=八時搭乗に間に合ふかしら?と一瞬どきッとしたが昨晩ネットチェックインしてゐたこと思ひ出す。空港には昨日終幕の七人ラ式蹴球の選手たちや「今朝まで飲んでゐました」のアングリーパイレーツ的な観客漢多し。機内で昨日の行政長官選挙の報道を文匯報と信報で読むうちに朝五時起きで微睡み北京空港に着陸で目ざめる。巨大な北京首都空港の第三ターミナル。何でも世界一ぢゃないと気が済まないらしい。河北省の方に更に巨大な空港建設といふ噂もありと聞く。数日前までずいぶん寒かつたと聞くが今日は気温も摂氏17度まで上がり北京之春。あちこちで春花が咲いてゐる。今回は某ミッションに同行で途中、天安門広場。とにかく奇抜な現代建築の展示会場のやうな北京市街。アタシの知る昔の、崇文門の角だけでコカコーラが兌換券一元で飲めて新京飯店が日本人の御用達で、王府井の清華池に浸かり……の北京は本当に古き好き昔。二環を自動車で走り南の永定門のあたりもオフィスビルやマンション立ち並ぶの見て驚くばかり。昔は運河沿ひを駱駝が山のやうな西瓜運んでゐたものだが。それにしても砂漠の中だと思ふと元の時代から栄えたのも不思議だが此処に人口1,800万人の巨大都市は絶対に無理がある。大気汚染、水資源……人工の極地。晩にミッションなので全聚徳に北京ダック飰す。北京料理もアタシは尖沙咀の鹿鳴春のほうが美味しいと思ふ。北京動物園そばの日航新世紀飯店に下榻。つまらないテレビ放送をチャンネルがちゃ/\回してゐたら山西衛視の「唐代詩人 王昌齢」と題したトーク番組は面白くしばらく見入る。ネットは顔本も呟板、GoogleもつながぬがiPhoneでAppだと顔本も呟板もつながるので「へぇ」といふ感じなのだ、首都は。
▼二環はまるで現代建築の展示場のやうに奇抜な企業ビルが立ち並ぶ。この企業がこんな本社社屋必要なの?と思ふばかりだが企業にとつては会社の保有株式の含み益も含めて!とにかく最も手っ取り早い、合法的な投資が社屋建立で無理に巨大な社屋造つてしまつても会社規模より社屋大きすぎ使ひきれず、かといつてオフィスビル需要が多いかといふと中規模企業が入るには賃貸も高すぎて、かなり中身はスカ/\のビルも多いと聴く。