富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

銭健明騎手香港で14年ぶりの勝利

fookpaktsuen2012-03-10

農暦二月十八日。朝から電話で、休日で自宅に寛がれる方相手に仕事話。でそのあと或る説明会聴講。本当に皆さんよい仕事をされてゐると忸怩たる思ひ。昼にZ嬢と北角で待ち合せ住家菜に飰す。大坑に住む千葉N君に預けてゐたDahonの折り畳み自転車をN君今月帰国で受け取り。官邸で土曜仕事。早晩にT歯科医で出来上がつた義歯装着。晩は自宅で湯豆腐。春菊がそろ/\終はり。古市憲寿少年に週刊読書人で「定年間際のおじさんが東京大阪間の新幹線の中で読むからいい」なんて嗤はれてゐた文藝春秋の四月号読む。「日本をギリシアにせぬために大新聞「船中八索」競作」と題し読売はナベツネ出て来たが腐つても鯛の朝日が応じず肩すかしで田村秀男さんには失礼だが産経が大新聞の仲間入り。でも産経代表で反増税、デフレ嫌悪の田村さんが書かれてゐる

おカネ(貨幣)というものは本来、その発行・流通やそれを配分する予算、回収のための課税、国債発行を通じて国民や企業を生き生きとさせ、経済活動ばかりでなく、安全保障、さらに芸術・文化まで高い次元に引き上げるための手段であるはずだ。

といふ一節が素敵。だがその手段であるだけのはずの貨幣が「その徽章を有たぬ凡ての者に賣買することを得ざらしめたり。その徽章は獣の名、もしくは其の数字なり。」(ヨハネの黙示録第13章17節)なのだ。「芥川賞「事件」の真相」といふ田中慎弥西村賢太の対談が予想通り?「なにが「真相だ」よ」の内容。週刊ポストならいゝが芥川賞が賣りの文春がこんな見出しで、とは甚だ情けなし。で二人の芥川賞作家も賞金でフーゾクとか印税の税金が大変とか、本当にどうでもいゝ話ばかりで、この二人だと敢へてハグラカしでそんなどうでもいゝこと語つてゐるのだらう、と思ふがいづれにせよ内容がない。総力特集と題した「3・11 日本人の反省」も大震災から1年の特集としては御座なり。そのなかで赤坂太郎「橋下徹が狙う首相の座」が面白い。阪神小選挙区議席奪回目指す公明党と橋下の連携。民主党自民党で思想的に「はみ出る」前原と安倍、それに一瞬、アタシらを社会民主主義路線か?と思はせた小沢さんまでが場合によつては烏合で橋下政権誕生、と。アタシは個人的に橋下は石原慎太郎と同じくらゐ大嫌ひだが日本のこの為体見るにつけいつそのこと橋下が権力弄び日本を完全に壊してくれゝば敗戦といふ米国が成敗してくれた外的な(見せかけの、事実上、1945年は國體も維持され目出たし、で日本は実は何も変はらなかつたのだから、の)崩壊ではなく橋下に託すことで内的に崩壊するのだから日本に初めての近代革命の起爆剤になるかもしれないと思ふと橋下政権誕生に期待寄せるべき鴨……なーんて思考に陥ることぢたいが「近代の超克」的誤謬か。
▼今日の競馬は沙田で香港マカオトロフィー(G3)あり香港馬のマジェスティックファルコン優勝で四着まで香港独占の由。マカオ競馬から銭健明、余健雄君が騎乗。このレースでは不調だつたが第1レースで銭健明君騎乗のプラネットが15倍の六番人気で1着。調教師は沈集成で二人はアラン調教師(懐かしい……)の下で副調教師と見習騎手の間柄。沈調教師は数年前、調教師として初めてのダービーで銭健明の騎乗を、と願つたが香港ジョッキークラブはそれを不可とした由。今ではこの港澳盃の開催日か国際レースで海外馬で銭君指名の時にしか香港では騎乗できぬ銭騎手だが今日の彼の香港での勝利は彼が八百長で香港競馬追放される直前の1998年以来14年ぶりのこと。

文藝春秋 2012年 04月号 [雑誌]

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