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農暦十一月廿二日。晴。早晩に銅鑼湾。ちょうど一ヶ月前くらゐに銅鑼湾のBaccaratの店で小さめのショットグラスをば注文して、さういへば音沙汰がないのでだうしたかしら？と立ち寄ると商品知識は何もないが愛想だけは良い店員のフランス娘がおぼろげにアタシのことを覚えてゐたやうで「あの注文はだうなりました？」と質すと「本当に注文するのかだうかわからなかったから、そのまゝになつてゐる」とぬかすではないか。「あのときにちゃんと品番まで指定して注文するといつて連絡先まで残したでせう」「ほんとに注文するならデポジットとかもらわなければならないし」「それならそのときにさういへばいゝぢゃないですか。かりに何かわからなくても連絡先だってわかるのだから連絡すればいゝのだし。あなたはアタシに店からの連絡を待て、と言つたんですよ！」と指摘してもバカ面でたゞへら／＼と笑ふばかり。自分が何もしなかつたミスを客の所為にするとは何事か、とバカ娘を叱り（本当は展示してあるバカラのクリスタルのオーナメントの一つでも床に叩きつけ割りたいくらゐだつたが）「こんな客あしらひもできない店で注文などしたのがアタシのミスだつた」と嫌み言ひ店を出る。香港人の店員が申し訳なささうに詫び。このフランス娘は問題少なからず、なのかしら。でそのまま「そごう」にあるBaccaratの出店で注文。こちらのほうがずつとしつかりした対応。手付金も置く。そのあと尖沙咀で宴会。M君とバーＢによりウヰスキー。帰宅途中に地下鉄を銅鑼湾で途中下車してバーＳに寄れば九龍一號Ｔ氏をりGXRにXRリケノン50mm/F2装備を見せてもらふ。このやうなレンズらしい柔らかさの画質に驚く。