富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

スティーブ=ジョブズが中国に生まれてゐたら

fookpaktsuen2011-10-07

十月七日(金)曇。蘋果教主の逝去の訃報も日本では小沢一郎裁判、香港では北京での観光バス事故で香港からの旅遊客三名死亡のニュースに押しやられた感あり。今日はかなり慌たヾしく外仕事。先週は月曜日は台湾から戻り今週は重陽節あり週日4日で仕事済ませてゆくのが結構しんどいところ。昼過ぎ銅鑼湾で一つ打合せあつたが銅鑼湾で昼時に坐つて珈琲飲む場所を探すのも面倒だし珈琲がいくらか、と考へたらバカ/\しくなり打合せのお相手が昼食済ませてをり尖東へ戻られるといふので自動車を宛てがはれてゐたのでエクセルシオールホテルでピックアップして尖東までお送りしつヽ車内談義。アルファードでまるで小沢一郎か(笑)。早晩に金鐘のパシフィックプレイス。タクシー乗り場横の星巴でS姐と待ち合わせしたら星巴がルイヴィトン商店になつてゐて(どれくらゐ前からだつたのかしら)近くのカフェに入つて昨日の日記書こうか、と思つたらMacBookWi-Fi繋がらず。店員に聞いたらWi-Fiのサーヴィスはない、といはれる。最近、Wi-Fiは「繋がって当たり前」感覚になつてゐるなぁ。iPhoneホットスポット機能で繋がつたが。S姐と打合せ済ませ一緒に近くのT氏のオフィスあるビルで待ち合わせ。N姐も来てT氏のいかにも社長専用のアルファードで新界深井。T氏のお勧めで能記に飰す。焼鵝のあと海鮮がかなり供され「おこわ」もあつてライ粉にいきつかず。Ch. Pichon-Longueville BaronのセカンドLes Tourelles de Longuevilleの2006年をば持参したが飲み干してmis en bouteille à la propriétéな名前失念の白ワインも飲む。深夜便で東京に往くN姐をば空港まで送つてのドライブで銅鑼湾に戻り散会。バーSにドライマティーニ二杯飲み三更に入つたころにご帰宅。
蘋果日報の財経面で「喬布斯如果生於中國……」(丘亦生、こちら)が秀逸。スティーブ=ジョブズが中国に生まれてゐたら、の話。先ず、ジョブズ氏には「毎朝起きると、もし今日は人生最後の日だったら何をすべきか……」の名文句があるが中国の中小企業の経営者なら毎日、政府の腐敗しきつた小役人をいかに接待するか、で終はつてしまふ。アップル社は1997年当時、累積赤字がUS$20億の深刻な財務状況にあつたが温州に会社があつたら非銀行系の金融機関=高利貸からの融資で金利返済で会社の蘇生も能はず。創造的な製品をば世に送り出しても翌日にはコピーが出回りiTunesで楽曲販売しても中国では楽曲は無償でMP3にダウンロードされるもので売り上げにつながらず。iTunesApp Storeの出現で電脳業界の小売り状況は否応なく大きな変化に見舞われたが、自由競争なら淘汰されるだけの業界は官民一丸となつてジョブズの新機軸に対抗し圧力かけるのは必至。1984年の有名なジョージ=オーウェル1984」モチーフにしたCMも当時はこのビッグブラザーIBMだと思はれたが中国では中国共産党に対する反政府的なCMと判断され放送禁止(笑)。いずれにせよ官僚の腐敗、非−法治、強固な制度、言論や創作の不自由で中国ではスティーブ=ジョブズは生まれまひ、と。
▼今晩どぜう首相夫妻が皇居で両陛下から晩餐にお呼ばれ。勿体ない。陛下、どぜうに何を語られたのかしら。勿体ない。