富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

映画「パレード」と大橋洋一先生の評

fookpaktsuen2011-08-22

八月廿二日(月)早晩に尖沙咀。Z嬢と星光行にある某リプロダクト家具屋。この業界では高品質でかなり評価高。さらに雑踏のなかを(ってアタシらも雑踏の一部なのだが)Austin Aveにある高級オフィス家具扱ふPOSHの尖沙咀ショールームへ。まだラウンジチェアー品定め続く。ショールーム向かひの北京水餃店に飰す。科学館。今年の夏の香港映画祭ではこの一本のみ、で映画「パレード」(原作は吉田修一、監督・脚本が行定勲、2010年)を見る。うーん、アタシには「よくわからない」都市の若者人間模様。古マンションでルームシェアする四人の若者。そこに転がり込んできた18歳の男娼。付近で起る連続通り魔事件。暮らすのは世田谷の明大前で、何かといへば新宿二丁目のゲイバーが舞台、夜中にふらりと行く遊園地のロケが華やしきで公園が鶯谷なのが気になるが、まぁ映画である。四人の若者がゐるが何となく一人、或は同居の二人の多重人格のやうな、恋人と同居人の垣根が不安定で男2と女2なのだがトランスジェンダー的にも錯綜し、しかもなぜこの物語に必要なのか、が不明の連続通り魔殺人事件で而も犯人が当然その登場人物のなかにゐるのだらうが途中で「あ、この人なんだ」がわかると「その結末ぢゃ詰まらないだらう」と、そればかりが気になり……でも結局のところ感性乏しきアタシには「よくわからない」まま。で帰宅してネットで見てゐたらブログで一つとても的を得たこの映画の評(こちら)を見つけ「ふむ/\」と読んで関心して、どうも大学の英文学の先生でどなたなのかしら?と思つたらサイード翻訳を何冊も読ませてゐたヾいた大橋洋一先生。クエア文学とかも専門なんださうで今となつて思ふとオスカー=ワイルドの短篇とかもこの先生の訳で読んでゐたのかしら。でこの映画評は秀逸。