富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2010-11-14

十一月十四日(日)晴。日曜なのに早朝から夕方まで出先仕事。夕方一旦帰宅。晩にC嬢の結婚披露宴に招かれZ嬢と旺角の彩福皇宴に末席を汚す。
▼国際G2なのだそうな沙田競馬場でThe Cathay Pacific Jockey Club Cup(芝、2000m)に馬主W氏のCollectionは単勝オッズが1.5倍の一番人気。昨年春のダービー馬で12月の香港カップ二着は残念だつたがW氏に招かれた今年二月の香港金盃は勝利したものの今回もQE II Cup内枠から前を遮られた不運の再来で五着。「よくあること」で同じMoore厩舎の伏兵Irianが優勝(結果)。アタシはW氏には申し訳ないが軸馬をSuper PsitachioにしてCollectionやIrianなど五頭に三連単で流したが、その軸馬が七着で、流した五頭が1〜5着といふ何とも素晴らしい!結果に。
▼一週間くらゐまえの朝日新聞(追憶の風景)に北杜夫氏登場。昔から老けてゐたが老成楽しんでゐたのか今でもまだ83歳。「素晴らしき仲間」に狐狸庵、佐藤愛子さんらと鼎談の頃はまだ五十代だつたのか。マンボウ先生シリーズくらゐでは今では文筆を生業に世に出られぬが「幽霊」や「夜と霧の隅で」は確かにこの作家の小説の力を見せつけられたし、アタシは「楡家」読まなかつたらトーマス=マンの「ブッデンブローク家の人びと」も読むはずもなく、つまり「チボー家」に辿り着かなかつたことになる。この「〜家の人々」を三作を一年くらゐで読んでゐる。16、17歳の頃はなんて勢いで小説を貪り読めたのかしら。それにしても若い時は「躁鬱」でエッセイを書き、今になつたら「躁でも鬱でもない状態が続く」って、そんなのたヾの当り前田のクラッカー〜だが、それがネタになるのだから幸せ。ところで本人のコメントの部分で子どものころ父・茂吉の脳病院経営につき同級生に「脳病院はもうかるだろう、相手はキチガイだから何もわからない」と言はれた、と。キチガイはコメントとしては朝日で問題ない、らしい。いゝことだが。

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