富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

八月卅一日(火)やうやく八月が終はる。iPhone3GSをHK$88で入手して北越河内に遊んでから、と思ふとほんと長く感じられる一ヶ月。知己のS氏らお三方がトレイルランニングに参加で背負い嚢購入とのことで銅鑼湾のアウトドア屋にお連れしてアタシの熟客割引使ふ。ちょうど近くにゐたZ嬢も来て四人で南華會でビアガーデン気分。Z嬢がまだ図書館横の興發餐庁に食したことがない、といふので二人で興發で軽く夕食済ます。
▼マニラのバスジャックと香港人観光客八人銃殺の惨禍につき事件当日、行政長官文革曾の電話がフィリピン大統領に通じなかつたことにつき左丁山氏が今日の蘋果に書いているのは、香港基本法に外交(と防衛)は中央政府が担ふと規定されてをり、SCMP紙でマニラ特派員が伝へるやうにフィリピン大統領府で職員が Donald Tsang が誰なのか全く解らなかつた、とこれは事実。ただし劉建超が誰だか解らなくても在マニラの中国大使館から香港政府からこの劉なる者が事後対応の代表で遣られてくるから便宜供与を、と聞けばアキノ三世大統領と内閣の担当大臣が接見する。外交とはさういふものだらう、と。1997年より以前にかういふ事件があつたとしたら香港総督は倫敦の外交部に何らかの対応を要請し、直接は先ず動かぬはず。なぜなら香港総督はあくまで女王の名代で香港を統治する下僕に過ぎぬから香港内では権限あつても、いざ香港外のことになれば別。林行止氏も惨禍であり香港政府の尽力も評価しつゝ、香港政府がフィリピン側の批准を得られる前にマニラに事件の調査官を遣つたり「悲劇」に呼応して半旗を掲げたり、に疑問を呈す。事件の犠牲者の中に香港に何か特別な貢献(Outstanding contributions)があつたのか。もし被害者がたヾ「善良なる市民」であるなら半旗掲揚なり行政長官は謂はば「酌量権」を濫用するべきに非ず、と。一国がどういふときに半旗を掲げるか、は厳格な規定があつて然るべき、政府に対して「特別な貢献」の有無が半旗掲げるカギであるし当局は「不可情急事緊而亂用公器」と。御意。それに「厳重脅威」でフィリピンへの渡航中止勧告といふのも何とも。

富柏村サイト www.fookpaktsuen.com
富柏村写真画像 www.flickr.com/photos/48431806@N00/