七月廿二日（木）台風３号は香港外れ広東省南部に上陸。不安定な天気だが大雨にならず。某銀行のカードの月明細が届く。深圳で香港発行のカードを「不是国内的！」と使用拒否され「香港应该是国内的吗〜！」と反論したが拉致があかず大陸での利用のため作つた中国銀行のカード。よつて普段は使つてをらず。それがHK$220の請求に何かと思へば年会費。今どき年会費とるカードなんてAEの白金か黒くらゐでせう、と当然「払ひません」で電話かけたら幾つも釦押して漸く自動音声が人声に変わつたら本人確認の後、アタシが何も言つてゐないのに先方から「年会費は取り消します」でチョン。まぁ一年全然使つてゐないカードで突然、電話が来て内訳みたら年会費請求直後なら十中八九「年会費」のクレームだと先方もわかるのでせうが。でも全く使つてゐないカードで年会費取るな！と言ふアタシもアタシ。カード会社にしてみれば最初から実質的に年会費は無料でも請求してみると住人中二、三人でも払つてくれれば御の字なの鴨。午後から雲行き怪しくなり夕方から雨強まる。黄雨警報の下、ジムに行く途中で大雨となり運動してゐたら、あら／＼ひどい雨であッといふ間に警報は赤雲から黒雲へ。一昨年六月以来の黒雨警報は40年来の狂風雷暴となりぬ。夕方から日暮れまでのちょうど退勤時間の大雨は70mmで北角、大埔、沙田などでは150mmだからよく降つた。びしょ濡れ覚悟してゐたが盥をひっくり返したアトは雨水もなくなつたか日暮れ頃には薄日さすほどに回復。Ｔ氏より招飲のお誘ひあり銅鑼湾の石山。いろ／＼な意味で古風。アタシでも顔見知りに遭う率では此処が香港一かも。バーＳに三人で寄り深更半夜に帰宅。
▼一代「電飯煲大王」蒙民偉氏逝去。享年八十二。両親が日本生まれの華僑。香港で高中を卒業し北京の精華大学で航空工学を学ぶが戦後の国境内戦で北京での学業断念。1949 年日本に留学し小学校で！日本語を学び26歳のとき香港で起業。日本の雑貨を香港の百貨店で販売。父親の紹介で松下電器の商品扱ふやうになるが香港での総代理権を得たいと願つた蒙だつたが相手方の冷待に蒙は大阪で松下幸之助に直談判で香港での松下電器の電気炊飯器の販売権を得て、その成功と松下翁とのまさに信用で契約書もなき取引きは有名な話。海外でPanasonicの商標使へるのは自社以外には蒙氏だけ、とか。古希すぎて妾宅暮らしで分居中の本妻に財産相続の訴へ起こされ離婚。齢ひゆゑ少なからず痴呆もあり本宅が財産保全は善策と訳知りの方に聞く。蒙さんといへば電気釜だが実は最初に売つた松下製品は真空管ラジオの由（蘋果日報）。電気釜で先鞭をつけ白黒テレビ、冷蔵庫に洗濯機の「三種の神器」を香港で普及に成功。クラシック音楽好きでスポンサーする以外にもかなり頻繁に地味なコンサートでもご尊顔拝す。郎朗のパトロンで、いや郎朗の体格からするとタニマチ（笑）。
▼日蓮宗第48代管長、池上本門寺第81世貫首田中日淳上人ご逝去。享年九十六。終戦直後にシンガポールのチャンギ刑務所で戦犯として処刑の日本兵に教誨師務めらる。連合軍の監視の目を逃れ託された遺書を日本に持ち帰り、戦後は殊に日本政府からも恩給など蔑ろにされた朝鮮籍の戦犯の救済に尽力。本門寺には慰霊碑も建立。戦前の日本からの仏教海外布教では浄土宗と日蓮宗が双璧で香港は本願寺（西）だつたわけでアタシはこの僧侶が皇軍の星加坡占領期に日蓮宗の寺に遣られて終戦を迎へたのか、と思つてゐたが実際には日本で召集受け見習士官となりシンガポールの第三航空軍司令部勤務の由。
▼香港のツアーガイドによる大陸客狂罵（後日談）。それを録画してネットに流した安徽省からの参加者がマスコミの取材に応じ語ったツアーの詳細は三泊四日で参加費はわずか610元（7,800円！）。53名が安徽省合肥より列車で広東省の東莞へ。貸切バスに乗り換へ深圳羅湖。通関後いきなり海洋公園で遊ぶこと３時間。晩は貴金属店に連れていかれ合計でざっと20萬元の買物。二日目はまず指定の宝石屋に連行されるが入店前に鬼ガイドが一人あたり３千元消費するよう命じ、結果、この客が乗つた大部分が男性客のバス（24名）は合計で１万元しか使はず、もう１台の女性客が主な方は10数万元使つたが、このあとバスに乗ると鬼ガイドが怒り、あの映像の場面に至つた由。香港に滞在の一日半で53人の参加者でHK$40万（480万円）は買物に費やし大部分が宝石や貴金属。文匯報の取材にはこの参加者は香港到着後さらにこの鬼ガイドに千元余を払つたと答えたが香港のテレビ局の取材には来港後の追加費用は出てをらぬが鬼ガイドの支持で250元のキーホルダーなど小物購入と。
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