富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

舞踏家大野一雄先生逝去。長壽百三。

fookpaktsuen2010-06-02

六月二日(水)アタシの書室、机の前の壁に大野一雄が「ラ・アルヘンチーナ頌」踊る舞台写真がずっと飾つてある。舞踏家大野一雄先生逝去。長壽百三。もう四半世紀も前かしら大野先生は当時でもう八十近かつたわけだが仙台フォーラスでの舞踏公演を見た。舞台が跳ねラブミー牧場での打ち上げ。いぜん書いたことの繰り返しだが宮城学院女子大に宮城先生といふ白髪のオカッパ頭と赤色フレームのメガネが素敵なアートの先生がゐて打ち上げも終わり大野先生が旅館にお帰りになるのをお見送り。仙台の一番町とはいへ東北大(片平)に近い五ツ橋の通りは暗く、リュックを背負ひ傘を手にした大野先生の後ろ姿。宮城先生が「あ、大野先生にお別れするの忘れた」と駆け出して大野一雄と抱き合い感激のあまりキスをされた、その可愛らしい光景がまるで昨日のやう。香港に移り住む直前の1989〜90年にかけ谷保のN兄の屋敷に居候してゐたころイタリアからラモッタなる若いカップルが大野一雄舞踏研究所に学ぶため来日、谷保で毎晩、芸術談義など楽しかつた思ひ出。1993年の香港芸術祭。仙台でも踊りをするN兄が大野先生に私淑されてをり、それで打ち上げまで誘つてもらつたのだが香港にもN兄来られ芸術中心の最前列に坐つたら隣の席に大野先生、が立ち上がり「わたしのお母さん」を舞はれた。終わつてからの中華料理屋での一卓、小さな打ち上げ。大野慶人さんから無言でZ嬢に赤い花を一輪いたヾいたZ嬢。もう一度だけ大野先生の尊顔に拝したのはその数年後、東京でN兄の舞踏公演あり墨東のホールに往くと大野先生ご夫妻もいらっしゃった。大成駒と大野一雄の舞台を見れたことはアタシにとつて今でも素晴らしい記憶。

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