■

▼上海萬博開幕から三日で入場者予想の半分満たぬ由。六ヶ月で入場者目標は七千万人。なぜ七千万か、といへば博覧会の最多入場者記録は1970年の大阪万博の6.4千万人だからゆゑ人口十数億の大国として最多記録達成は必至目標で達成には一日あたり38万人の入場を得ねばならぬが開幕三日の平均入場者数は日に18万人。開幕で労働節大型連休でこれでは。オリムピックで金メダルのためには女子体操の選手の年齢偽り香港のTrailwalkerで人民解放軍選手の優勝と記録達成のためには他の参加選手の走行妨害……と勝利のためには手段選ばぬ一党独裁国家ゆゑ今後、七千万人の記録のために強引な動員や入場者数水増しなどあつても驚かぬ。
▼一昨日の信報に香港のクラシック音楽評論の劉偉霖氏が「初聴蘇柏軒」とPerry So君の香港フィルでボリス＝ベレゾフスキー客演のチャイコフスキーのピア協１番とプロコフィエフの５番について批評。香港デビューから凡そ見てゐるペリー君の指揮は一言でいへばオーバーアクション。だが香港フィル（港樂）といふ楽団相手では煽る必要性は劉氏も指摘するところで「港樂樂師有時連大指揮都不瞅不睬，肯為蘇柏軒出力已是成功的一半」だが左手の動きが expressive すぎて「不同樂器的articulation也做出來」と。奏者にとっては過度の指揮は奏者に対する指揮者の不信感と映る場合もあり。この晩の演奏会では（チャイコフスキーのピアノ協奏曲１番といふ黙つてゐても派手な曲でベレゾフスキーのピアノなのだから）そこで過度の指揮表現は饒舌すぎ逆に指揮者の力量問はれるプロコフィエフの５番では寧ろ「干与不足」と。二拍のところを四拍で振つたり、と細かい指摘の点もわかる、がアタシはPerry君への贔屓もあるが信報がいくら古典音楽に詳しいとはいへ一般紙で、と思ふと劉氏の評論は重箱の隅をいち／＼で讀んで食傷気味。指揮用のスコアまで小型のスコア本用ゐるから途中で頁が戻つてしまひ指揮しながら頁捲り往生とまで指摘するが贔屓の知るところでは小学生の頃から指揮者に憧れたPerry君はスコア本を広げ指揮の真似が好きでプロコフィエフの５番は好きな曲の一つ、とインタビューで答えてゐた記憶あり。と思ふともう十数年使ひ慣れたスコア本かも知れず。

富柏村サイト　www.fookpaktsuen.com
富柏村写真画像　www.flickr.com/photos/48431806@N00/
http://twitter.com/fookpaktsuenhkg