富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

張五常名畫失竊案開審

fookpaktsuen2010-03-03

三月三日(水)晴。母とY女史をホテルに迎へに行き中環に渡り昼前に長洲島へ。散策。写真を撮るY女史はリコーのGR1sで森山大道のやうにバシバシと長洲を撮りまくり。よく考へると大道先生の方がY女史より年下。母もかなり香港に来てゐるが離島は初めて。街市の魚屋はもう昼にはだいぶ店終ひだが、まだ一軒だけ開いてゐた魚屋のオヤヂがアタシがM3のフィルムを巻き戻してゐるのを珍しさ

張五常因涉逃稅遭美國通緝,現長居內地。
資料圖片
蘋果日報

うに眺め「魚介、安くするから、これから昼だろ?」と。で生きのいゝ小ぶりの桂花魚、車庫海老、帆立貝を見立て「どこか店を紹介してよ」と請ふと、海鮮なんて看板に掲げてる食肆は高いばかりだから、良い店を紹介してやる、と連れていかれたのが近くの茶餐庁。近所の中学生が昼を食ひに来るやうな食堂で「大丈夫かよ」と思つたが、すでに今日の仕事終へた近隣の漁師が集まり葡萄酒を開栓して昼餉。この食堂の大将も仕事もせずに一緒。これで不味い筈もない。独逸の黒麦酒まである。心地よい快晴で風もあり市街の外れ、北帝廟まで散歩。午後三時過ぎのフェリーで中環に戻る。ミニバスで一気にミッドレベル。オリンピアグレコ珈琲店。珈琲好きの母にも一包。Cage Stの街市を抜け上環。嶢陽茶行で鉄観音、林奇苑茶行で普洱茶を購ふ。一旦ホテルに戻り晩に地下鉄で銅鑼湾。ハッピーヴァレイ競馬場。Z嬢も来て四人で某銀行のボックス席で競馬観戦。先づは小手調べと思つた第一レースのClass-5の1,000mでいきなり23.4倍の単勝ゲットしてしまひ「もう運を使ひ果たしたか」と覚悟したが、その後もレースもそれなりに当て、何より母がきちんと儲けてゐたのが立派。母らを尖沙咀のホテルまで送る。いぜんだとこのまゝふと銅鑼湾にでも寄りバーで独酌、となるがこのところその気勢が失せてゐる。
▼シカゴ派の経済学の奇才、張五常教授、シアトルでの怪しい骨董絵画のイカサマ売買に手を染めねば、脱税さへなければノーベル経済学賞か?のレベルで米国での追査逃れ中国に隠遁中だが信報などに執筆活動は盛ん。その五常教授が今度は「張五常名畫失竊案開審」と亦た報道を賑はゝせる。何でも香港で五常教授が実質的に経営者のアンティーク美術商で収蔵の名画数点が窃盗に遭ひ犯人はこの美術商の従業員。その夫がこの絵画転売しHK$140萬を得た、とされるが容疑者の夫婦は犯行を否認、五常教授に「盗まれたことにした方がいゝんだ」と唆され教授から報酬を得たと証言。シカゴでの偽美術品販売では商品価値と物象性について「さすが経済学者」といふ詐偽ぶりを見せてくれたが今回は「商品が消えることで商品価値を上げ転売で利益を得る」という実践かしら。
▼マルクス主義の思想家・故・梅本克己氏の夫人は長壽、で頭脳明晰。母に聞いた話だが梅本夫人は百歳といふことはそのご母堂から伝へ聞きのことも含めると百年どころか百数十年の歴史を知ること。百歳長壽とは今だとちやうど明治からの日本の近代史そのもの、といふことになる。
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