富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2010-02-16

陰暦正月初三。夜中二時過ぎに目覚めてしまつたが鼻風邪ひいたやうでペネドル服し二度寝で朝七時半過ぎに起きる。気温は摂氏九度。寒すぎ。胃腸感冒の症状で今日は午後の競馬をテレビ観戦と決め込み予想始めたが腹瀉の薬を服したつもりが間違つて誘睡薬で当然、眠くッてしやうがない。ぼんやりと午後は競馬中継眺め本を少し讀み微睡み、の繰り返し。賀年盃はアタシはホワイト騎手のプレストに期待したがデビュー二戦目のFair Trade(君子一言)が二冠で四歳馬ゆゑダービーに期待されるところ。続くダービー予選(G2)は七戦六冠一亜のBeauty Flash(締造美麗)三著で予選一著は四番人気だかのKing Dancer(至勇威龍)。今年のダービは、この二頭の他にこの予選で二著のSuper Satin(極品絲綢)、二戦目で四著のIrian(魔法幻影)、前述のFair Trade、そして今日のClass-2のマイル競走で一著のBrave Kid(勇敢小子)もデビューから五戦五冠で間違ひなくダービー参戦とかなり面白さう。晩にお好み焼きする。
▼香港で70〜80年代の蹴球全盛時代に名中鋒として活躍し引退後は俳優として刑事役が評判となつた尹志強が鼻咽癌患ひ逝去。享年五十三。映画『無間道』での警視役など印象強し。翌朝の新聞は冬季五輪で中国が初の金メダル、トンネル内でのバス衝突事故とニュース多いなか蘋果日報は尹志強(尹佬)逝去がトップ。ちなみに見出しの「米雪最痛」は「雪上加霜」のような表現に非ず尹志強の連れ添ひ、最愛の女優の名。
▼雑誌『世界』三月号のベルナール=スティグレール「20世紀型「消費主義」が終はつた」は仏蘭西左翼らしい論文で家庭や学校などの<象徴破壊>は興味深い。産業が生み出す大量の画一化した情報やイメージに包囲されてしまつた(まさに日本のテレビ漬けの、だらうが)人間が貧しい判断力や想像力しか手にできなくなつた情況を<象徴的貧困>とスティグレールは呼んでゐる。この論文に続く対談が上村達夫(早大法学部長)と三國陽夫御大によるもので経済音痴のアタシにも興味深い内容であるものゝ最終的にポスト=リーマンショックの時代に日本は政権交代で多少楽観的に「国内の経済活動を消費中心に増やしていつて豊かな生活をするといつたことが大事になつてゐる」とまとめてみせるが、単純に、そんな消費型の豊かな社会がの実現こそ一番、今の日本で難しいんぢやないかしら。かつての堤清二のセゾンぢやないんだから。現実的には社会的格差や負け組が多く精神的にも象徴的貧困に陥つた社会がどうして消費で景気を持ち上げていく、つて言ふのよ。

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