富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

龔如心案華懋基金勝訴 陳振聰稱所持遺囑真確並將上訴

fookpaktsuen2010-02-02

二月二日(火)曇。早晩に帰宅する途中、出先から将軍澳線の車内でぬぼーつとした表情の「どこかで見たことのある子ども」と思へば小学生ながら数学の成績優秀で香港科技大学に入学の秀才君。こんな幼子が独り大学生に混じり精神衛生上、発育上問題ないのかしら、と思ひつゝ相対的に大学生の精神年齢の低さで趣味や感心など交はるのかしら。帰宅してドライマティーニ飲みながら「小甜甜」遺産裁判のニュース見ようとテレビの前に坐つたが国歌流れ思はず厠に用足し済ます。昆布の出汁で「おでん」煮て食す。NZのJackson Estateの若いSauv Bl の葡萄酒。銀座のお多幸のおでんぢや白葡萄酒は飲めまい。昨晩に続き柴田元幸責任編輯のモンキービジネスのvol.3.5「ナイン・ストーリズ号」讀む。ハルキムラカミも「カズオ・イシグロのやうな同時代作家を持つこと」とか書いてゐるがアタシには相変わらずよくわからぬ内容。再讀数ヶ月前に途中で中断してたジャレト=ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』上巻讀む。
▼女性で亜細亜筆頭億萬長者と云はれ華懋集團率ゐた龔如心。漫画『キャンディキャンディ』に陶酔し五十路過ぎてのキョービなら所謂「コスプレ」の失礼ながら似合はぬ奇装。その通称「小甜甜」が2009年だかに癌で逝去すると突然現れた「笑ふ謎の風水師」陳振聰、自らが遺産相続人と小甜甜の2006年の遺書を見せ世間驚かす。これに反論は小甜甜が遺族。2002年にすでに姉御は慈善事業に熱心で基金設立し死後その遺産はこれに寄贈と遺書をば認めたり。それが突然の謎の風水師の名乗り。で遺族が訴訟すれば風水師は当初は風水師とクライアントの関係が相思相愛、と「真相」開かし全面対決。で本日その判決。香港高裁は2006年の遺書を偽物と断定。華懋が所持する2002年の遺書の有効を指摘。両者とも超一流の弁護士雇ひ法廷賑はひ、結果、双方三千億港幣(四億円)費やした弁護士のお代は謎の風水師側が華懋側のお代持つ破目に。風水師側は即刻、上訴仄めかし相変はらず笑ふ相をば崩さず流石、風水師。遺族の華懋側は「天地有正氣、正義一定會贏」と欣喜雀躍。「だが」小甜甜ぢたひ幼い頃から上海で相思相愛だつたさうな富裕な家族をば出自とする夫が二度も誘拐され一度目こそ巨額の身代金で解放されたが二度目は誘拐されたまゝ裁判所が法的に死亡認め、その夫からの遺書で全財産をば妻たる自らが相続人となり、それに「遺書は偽造」と抗議せし夫の父と裁判の過去あり。それに勝訴の小甜甜が、今度は自ら逝去せば謎の笑ふ弁護士現れ小甜甜の遺産相続人は我、とあまりに話は火曜サスペンス劇場並みのB級で、結局、次から次と「カネに目の眩む輩の業」で「三面記事を歌舞伎に仕立てればさぞや可笑しからう」といふ感だけ。「結局、弁護士が巨額の報酬得るだけ」とZ嬢。御意。

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