富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

澳門に遊ぶ

fookpaktsuen2010-01-23

一月廿三日(土)曇。朝九時過ぎのターボジェットで一路、澳門。到著すると気温摂氏十二度の電光掲示。寒い。香港出航前に澳門入境時の香港IDでの自動通関手続き(昨年十二月朔日だかより開始)登記済ませてきたが五日後より使用可。今晩の宿泊は澳門旅遊学院のPausada de Mong-Há(望厦賓館)。望厦の方にぴたりと向かふ路線バスなし。夏ならまつぴら御免だが波止場から貯水池の畔を歩き治安省察庁まで往けばアトは歩いて1kmほどなので歩くことに。途中、普済禅堂に賽す。望厦賓館に下榻。ツインルームは次の間付きでSuiteに近くライティングデスクが便利でパソコンまで完備に驚く。昨年前半だかの改築を経て部屋も綺麗になつた結果がこれ。昼前に出街。観音古廟に賽し市政牧場跡から路線バスで氹仔。三度目でCastiçoに食す。前回(昨年十月)この食肆の主人がジャン=ポール・ベルモンドに似てをり「気狂ひピエロ」と綴つたが主人も常連の客もどこか“Stranger than Pradise”的、と今日は思ふ。こんなに客が入るのか、と驚いたが主人は相変はらず昼なのにもう出来上がつてをり。「この食肆が閉じる時は経営不振ぢゃなく、きつと店主酔つて往来に飛び出しバスに轢かれて……」なんてことにならないやう願ふばかり。スープ二つ、豚肉料理、山羊チーズを食し葡萄酒は白と赤を二杯づゝで最後に麦酒小瓶一本で250パタカ。氹仔は官也街こそピノキオだダンボだ、と何だか知らぬが観光ズレした飲食店で賑はふが、このCastiçoのある狭いバス通り沿ひ(Rua Fernão Mendes Pinto)は数年前にだいぶ商店が並んだが今ではすつかり空き店舗ばかり。Cuppa珈琲で蘋果のケーキと珈琲。路線バスで市街のセナド広場。少し歩いてからバス乗り換へ荷蘭園。二喉龍公園。熊は今日も出て来ず。ホテルに戻り部屋で夕方まで読書。早晩に出街。逸園跑狗場の前を通る。アタシはドッグレース見たこともないが、もう半世紀くらい前に先学が商店街の友人らで香港マカオの旅なんてのに来た頃に此処にも遊びに来た時の話など思ひ出す。青洲小学近くの劉記に軽く食さうか、と思つたがもう仕舞つてをり鴻圖なる雲呑麺屋。路線バスで新馬路。柴船尾街の甜香園にて紫米露を食す。Teatro Dom Pedro V劇院(崗頂劇院)。1860年だかに建立の久が原のT君など垂涎であらう美しひ小劇場。数年前に改修。マカオ芸術祭などで音楽会あるが、さすがに本国からの有名な歌ひ手のファドなどすぐに切符売り切れてしまふ。Teatro Dom Pedro Vで音楽をとにかく聴きたく、ちよつと探した結果が今晩はマカオオーケストラの団員による室内楽。入場券は30パタカ。最初は金管の五重奏でリストのハンガリー狂詩曲。続いてシューベルトの絃樂四重奏曲13番イ短調、で最後はシューマンピアノ五重奏曲変ホ長調(op.44)。ピアノは呉美樂といふZ嬢の話では香港からの奏者で、バイオリンの王灝といふ青年はなか/\の力量。市街の丘の上にこんな素敵な小劇場があり室内楽が聴けるなんて羨ましい。セナド広場まで下り南湾大馬路からバスで荷蘭園。ホテルに戻る。
▼今晩のコンサートは前述の通りマカオオーケストラの団員による室内楽だつたのだが波止場からホテルまで歩く道すがらマカオフォーラムで今晩、Paul Wong(黄貫中)君のライブ開催のポスター見かける。Beyondは1990年代前半のバンドとしての全盛時代に当時アタシはあまり興味なかつたがPaul Wong君がどん/\磨きのかかつた中年になり四十五歳で狂人搖滾音樂會なんて題を掲げロックするところがなんて恰好良いか。写真撮影も玄人跣し。

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