富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2010-01-13

一月十三日(水)曇。夕食の機会すら逸したまゝ晩遅く22時に在港中の中野Y氏と銅鑼湾で待ち合はせ。ちよつと甘味でも食し四方山話、となつたが甘味は「スイーツ」といふのね、今は。アタシも甘党だがマンゴープリン好きの中野Y氏によれば許留山のそれはちよつと軽すぎるさうで銅鑼湾なら深井發記が良いと言はれたが發記が何処にあるのか、もアタシは知らず。え、こんなところにあつたの?でいつも通る十合百貨店の裏手。繁昌する狭い店内は若い女性やせいぜいアベックばかりで初老のアタシら二人がやけに目立つ。帰宅して岩波『世界』二月号半分ほど読む。
▼中国の通信大手中国移動通信(チャイナモバイル)で背任行為で罷免の張春江を襲ひ同社副総裁に就任するのが中共政治局常委の李長春の息子の由(蘋果)。金融と電信事業が中共太子党(幹部二世)に人気。江澤民の息子はプロバイダ大手•中国網通創始者の一人で百億元長者と噂あり胡錦濤国家主席の息子は精華大学の副秘書長と学究系に映るが同大は数十社の企業経営も盛ん。胡錦濤の娘婿はプロバイダ大手•新浪網の前CEO、温首相の息子はやはりハイテク系で優創科技有限公司を経営、言はずもがな李鵬の娘は香港で上場の中国電力国際の董事長、朱鎔基の息子は中国々際金融公司のCEO……と並べたらキリなし。
エズラ=ボーゲル博士が1979年に上梓の“Japan as No.1”について、ナンバー一なのは経済体としての大きさの意味でなく日本は義務教育の水準、会社への忠誠心、長寿などの点で世界一と評したもので「米国が学ぶべき」点。日本人には悪い影響を与へただらうしライシャワー氏も「あの本は米国では読むべきだけど日本人は読むべきぢやない」と言つた由。御意。日本人はあれを読み大国になつたと自己満足が大間違ひ。その結果、ボーゲル博士の指摘の通り、英語教育の遅れ(中国が一流校など英語は当たり前、に抜本的改革済み)、内向きで外国から学ばず、サービス産業など自由競争力に欠ける、と指摘。二、三十年後には明らかに社会が悪くなるだらうに危機感がない、と。まさに、まさにご指摘の通り(朝日新聞)。まさにさうした意味でナンバー一であつた部分が根こそぎ二流、三流化。それなのに「世界に一つだけの花」なんてアホな癒しで自己満足は絶望的。

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