富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

一月十二日(火)晴。忙しいまゝ早晩に至る。安い葡萄酒一本づゝ半打購ひ帰宅。おでん煮て食す。ジャスコで買ふ紀文の具が多いが香港仔の烏賊団子などやはり格別に美味。文藝春秋二月号読む。

李國能(前右二)昨最後一次主持法律年度開啟典禮,全場包括黃仁龍(前左二)起立鼓掌逾一分鐘。
黃賢創攝

▼毎年この時期に香港では「司法正月」あり。裁判官、弁護士ら司法関係者が一堂に介し西欧の古式に則り白鬘冠りローブ羽織り祝賀。東洋人がこの鬘をば冠ると滑稽極まりなし。で香港の終審法院首席法官(最高裁判所長官か)の李國能が1997年度から13度目、この夏退任予定で最後の致辞。そのなかで強調したのは香港は現有の制度下で行政、立法と司法が相互に制衡する三権分立があり「這些基本權利和自由正是香港制度的精義所在」といふこと。これが暗に中央政府の港澳弁副主任(張曉明)が香港はマカオの「三権合作」に学ぶところがあると言及したことに対する返答であり李國能が「香港以外、關心香港事務嘅人要明白」 とまで言ひ切つたのも退任前の最後の演辞ゆゑ。どうしやうもない亭主に三行半突きつけた女房が「別れると決めたからには何も怖くない。全部アタシの思ふことを言つちまふからよくお聞き!」と志ん朝の声が聞こえてきさう。
▼鳩山首相の動静(昨日の朝日)。丸の内の丸善でロバート=ライシュ著「暴走する資本主義」、レヴィ=ストロースの講義録、内田樹著『日本辺疆論」と自民党より民主党ッぽい?書籍の選択は鳩山四世の芸風としての自然な選択なのか「これを読むと面白いですよ」のアドヴァイスなのか、と思つたが読売新聞で動静見たら書籍のタイトルまでは書いてゐないが松岡正剛氏同行とあり、なるほど、と納得。自民党の指南役が安岡正篤なら民主党はセイゴーで「岡正」のところは一緒。
▼アブダビで牧場に穀物供給する商人に取引上の「ごまかし」があつた咎で牧場主が報復で虐待の私刑。その無惨な態の画像が流出。その牧場主が訴へられたが無罪。その主とはアブダビのハリファ首長の弟殿下。ハリファ首長はドバイにUS$250億醵出しドバイは債務不履行回避。でドバイタワーがブルジュ=ハリファと改称されたほど。UAEの大統領であるハリファ首長の弟君ゆゑ裁判が不公正で無罪ではないか、と「西側は」批難するが「アラブにはアラブの正義」なのかしら。

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