富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-10-11

十月十一日(日)快晴秋空。早朝に近くのコンビニへ行かうと宿を出て明らかに定居感のない=ホームレスと思しき青年と遭遇。中年からのホームレスさんには今更驚かぬがあまりに若く何故に。「ちよつと薄汚れてゐる感じ」だけなのだが旅行でもない中途半端な荷物の多さと小ぎれいには努めてゐるが薄汚れ気味。でも紐育、巴里、倫敦でも大都市にかうした若者はずつと見てきたな、とも思ふ。水上勉がそんな青年を主人公に小説で描いてゐてもをかしくない。旅荷ありタクシー雇ひ新検見川。昨夕の斎場にて告別式あり末席を汚す。出棺を送りZ嬢とタクシーで稲毛。稲毛の旧市街が昔のまゝ。稲毛駅前の蕎麦屋に昼を食し総武線快速で東京。お清めに、と一人飲んだ缶ビールに酔ひ眠りに落ち目が覚めると東京駅で列車がホームに着きドアが開いたところで慌てゝ下車。ロッカーに荷物預けZ嬢と別れ歩いて日本橋。?島屋。世紀末美術でロートレッククリムトの作品展開催中ながらクリムトの絵の世界よりインパクト強き参観の女性客に負け退散。柘の櫛、皮製のIDカード入れなど購ふ。丸善本店地下。好きだつた折畳傘、十数年使ひ劣化ひどく買ひ替へ。眼鏡売場でゐろ/\眺め「こちらなど」と勧められた眼鏡は見事に気に入つたがお値段48万円の白銀製で拝見するのみ。銀座線で神田。山手線で日暮里。叔父母とS従兄と午後茶し歓談。せつかく日暮里に来たから、と羽二重団子購ふ。東京駅に戻りZ嬢と待ち合はせ浜松町経由で羽田。第二ターミナル。沼津魚河岸なる鮨屋。これが香港なら超一流店だらう、で値段の安さつたら。晩の繁忙期の国際線ターミナルは芋を洗ふが如し。待合室でおバカなテレビのバラエティ中継が大型画面で五月蝿い。JALの8739便で一路、香港。鮨を食べ機内食は避けるつもりがカレーライスと云はれ「カレーは別腹」で思はず二度目の夕食となる。半夜三更、香港に到著。エアポートエクスプレスの列車はまだあつたが頼まれ物など荷物多く空港から初めてタクシーで帰途につく。空港の島を出る時にすでにHK$30でメーターの上がり具合に驚くが、慥かに70数ドルに達すると値上げ幅がHK$1.5からHK$1に50セント安くなるだけで値上げが緩慢となり西隧の料金など含んでも慥かに三人乗れば列車やバスより値ごろだらう。すつかり荷物など片付けると深夜三時。
▼「日本人の」と礼節だの、思ひやりだの美徳を語るは易し、だが現実に礼儀知らず、混雑の中を歩く中での思ひやり、對手の話もろくに聞かず自分の言ひたいことだけ言つてちつとも精確の諒解もできぬ輩……と、それが「最近の若い人は」ならまだしも十分に齢も重ねた、だが痴呆となるにはまだ若い年齢層にやたら目立つ、と思つたのはアタシだけ? とにかくわがまゝ。自民党ぢやないが「戦後の教育は間違つてゐた」のかしら。社会としての市民革命の未経験、似非自由主義と似非民主主義のマス教育、おバカなテレビ番組の見過ぎでの脳軟化……いろいろ理由はあるのだらう、がそれにしてもひどい。

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