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陰暦八月十五日。中秋。広州O君家族で来港。朝、陽明山荘前で待ち合はせＺ嬢も一緒に風が肌寒く感じるなか紫羅蘭山を歩き孖崗山はさすがに引水路沿ひに巻いて赤柱までゆつくり二時間半。美利樓のKing Ludwingで腸詰肉など頬張りながらKing Ludwing麦酒ぐび／＼飲む。午後からかなり晴れ猛暑。筲箕灣までバスで戻りジムのサウナに浴し帰宅。午睡。フィリピンは呂宋島沖の颱風の影響かしら中秋の宵だといふのに夕方から真つ黒な雲が一時、空を覆ふ。こゝはひとつ北京中央に頼み消雨ロケット発射か（笑）。晩にＺ嬢と湾仔。雲は失せ東空に見事な満月。香港展覧会議中心。知己のＷ氏のお嬢さんの結婚披露宴。大物馬主のＷ氏だけあつてLevel 3のGrand Hallつて1977年に中英政府が香港返還の紀念式典した会場だす。家族で名月を愛でるのが習慣の中秋の晩によくぞ、の集客で卓の数百八つてことは、千三百人招客の大披露宴。もてなすW夫妻も立派だが千三百人の宴席料理を温菜で出す展会中心も大したもの。給仕の数だけで二百人くらゐかしら。料理も結構なもの。ひとの披露宴に算盤弾くのも失礼だがざつと計算してHK$百萬（1,200万円）くらゐだらう。お返しは今日を紀念したゴルフボール一個、日本ほどでないがご祝儀もあり、どう考へてもサラブレッド一頭買ふのに比べたら婚礼の一つや二つ、愛娘のためと思へば安い、安いと知人と笑ふ。午後八時過ぎからの宴会が跳ねたのは三更に入つてから。バス会社経営するW氏ゆゑ披露宴跳ねた後にバスが香港各地に客を送る手配まであり。半夜三更月はちやうど天空に輝き眩しいほど。

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