富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

七月廿一日(火)パソコンのアドレス帳、ソフト変へる度毎に項目などグチャ/\になり何年も前の鳥渡お仕事であつた程度で今見たら記憶も朧げなら勝手にvCardなどでデータ化されてゐる営業関係など「他是誰?」な方もゐて八百人ほどのアドレスを兎に角半分ほどに減らし、その上でiPodに入れるべくMobileMeにデータ一本化。iPodは紛失が怖くメール情報だけならパスワード変へるなどして対応も出来ようがアドレス帳など怖くて使はずにゐたがFind My iPhoneなるサーヴィス始まりiPod touchもそれが使へる由。これがあれば遠隔操作でiPodの全データ消去も可能で、これならば、とアドレス帳から全てデータを移行済ます。晩に帰宅して豚肉のカレーライス食す。カレーライスはバーボンのソーダ割りと決めてゐたがソーダ切らし赤葡萄酒を飲んでみる。意外と飲めるもの。Noam Chomsky教授のDemocrasy Now!での発言“Crisis and Hope: Theirs and Ours”を讀む。
衆議院解散。自民党が野党になる日( Ⓒ舛添君)近し。でこのまゝ雪崩的に民主党勝利でゐゝのかしら。小泉郵政選挙も及びもつかぬ巨大与党民主党と「その他大勢」なんて。このまゝでは「二大政党制」なんて実現しないでせう。日本の民主主義の健全な発展!のために野党自民党はどうあるべきか真剣に考へるべき。以下、築地のH君も憂ひこもつた分析の引用。
自民党の将来の可能性としては三つ。
(1)極右政党としての醇化。安倍三世やバッカス中川二世などダメ男ばかりでリーダー不足が痛手。平沼一派を合流させて平沼総裁でいくしかないか。
(2)新自由主義新党として醇化。小池百合子総裁。ご本尊の小泉三世も引退でやはりタマ不足だが離党した喜美君などを再合流させ橋下君でも担げば一大勢力に成長する可能性も。
(3)あへて民主党に接近しリベラル化。前回下野時に河野二世(洋平君)かついだ智慧に倣ふ。大聯立にそなへ加藤紘一総裁とか。
このうち(1)で行くと希望的な将来なし。小選挙区制で極右政党が50%以上の支持を集めるやうな情況にはない。ほかに2大政党が存在するもとでキャスチングボードを狙ふ、といふなら欧州の極右小党的すぎ。伝統を重視する勢力が(1)選択し極右政党化すると(2)や(3)の勢力が脱党して改革かゝげた新党が乱立。いちばん可能性があるのは(2)かしら。民主党から松下政経塾系の前原的な保守派が割れてこゝに合流。そのときに(3)の勢力と民主党の残り=中道左派が合体、で新自由主義党と福祉国家党の二大政党に再編つてのが話はわかり易い。小沢一郎的な政界再編はこのあたり。で問題は小沢君自身が(2)につくのか(3)につくのか。もともとは新自由主義者だつたのが民主党入りしてからは聯合や旧社会党勢力と接近ですつかり福祉国家路線に「転向」のやう。これが方便なのか本心なのか。(3)に加担でもすれば小沢君、あと20年もすると後藤田先生(先代)のやうに「戦後保守の良心」といはれてゐたり(買被りすぎ?)。まぁ小沢君のことは良い。いま心配なのは自民党。最悪なのは結局(1)〜(3)のどの路線も選択できず「とりあへず舛添」で何を標榜する党なのかわからないまゝ100議席ちよつとの非力な野党への顛落。共産党社民党公明党も「好き嫌ひは別として」なぜ党が存在するかといふ存在理由「だけ」はハツキリしてゐるから社民党ほどの少数でも党として存在できるが「与党であること」以外アイデンティティなき党が権力を離れ何の理念が残るかしら。最も警戒すべきは巨大与党になつた民主党が先祖返りして新自由主義化、そこに橋下徹小池百合子渡辺喜美も合流して左派やリベラル派切り、で自民党見限つた賛同者が続々と。で政界再編成は
 旧社会党含む民主党主流(小沢、菅)+国民新党社民党新党日本自民党鳩派
 民主党新自由主義派+自民党新自由主義派+渡辺喜美+橋下一派
 公明党福祉国家路線に復帰し小沢・菅と協力であくまで「与党」体質
 共産党は是々非々ながら小沢・菅派と政策ごとには協力
 極右新党(政党名は知らぬが……笑)は保守党と組みたいが郵政民営化が障礙
こんな体制になればまだ良い。最悪のケースは前述の巨大与党化する民主党。悪い意味で「自民党より間口の広い」民主党だから鳩山や岡田が小沢・菅につくのか、新自由主義につくのか。この二人のついた方が民主党本流。政治家にとつて「出て行つたら干上がる」とわかるとリベラル系も「党として」新自由主義に舵きつても抵抗できずにズル/\と(自民党鳩派のこれまでがそれ)。自民党もこれならかなり賛同できて、のオール与党化。このときに民主党のリベラル派が良心の呵責で加藤紘一後藤田正純自民党の非新自由主義勢力と合体することで二大政党の一画を占めることができる情況であれば飛び出すことも可能だが、加藤君らがまだ「自民党」の看板をかけてゐると世間的には「第二の自社聯立」と見られるし、なにせ自民党を割つて「リベラル」の旗を立てるほど肝の座つた勢力もない。どうにも難しい。どうであれ現状の民主党の巨大与党化は危険。で、必要なことは「どうやつて・どのやうな「野党第一党」を構想するか」だらう。
▼創作日本料理のNobuが雲丹、しかも北海道産の馬糞雲丹に三鞭酒、それもDom Ruinartを合はせる、なんて嗜好をするさうで、それを紹介する信報の記事(16日)にオスカー=ワイルドの「已婚人士的家裏很少有優質的香檳」なんて格言の引用あり。ワイルドらしいセリフだが、この記事の書き手(陸爵)は「それでも家に極品のシャンペンを置いてゐるやうな友だちなんてそも/\少ないわけで、それと既婚か未婚か、は関係ないだらう」と指摘。慥かにさうかもしれないがliteracy的にはワイルドの言葉は実に興味深く、裏返すと「既婚者で良質のシャンペンなんて家に置いてあるなんて夫婦仲がほんとは良くない証拠」鴨。

富柏村サイト http://www.fookpaktsuen.com/
富柏村写真画像 http://www.flickr.com/photos/48431806@N00/