富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

七月十七日(金)早晩に帰宅してウオトカのライム割り二杯。久々に香港電台「頭條新聞」見る。ビビンバ食す。昨晩に續き乱歩先生『魔人ゴング』ポプラ社讀む。少年向きといつても怪人二十面相と少年探偵団シリーズの中でもトリックや筋立てなど作品としては稚拙。無理矢理に怪人を二十面相にした粗雑さ。それでも『ゴング』が今以て語られるのは小林少年の女装趣味?ゆゑ。明智探偵の姪で18、9歳のマユミ嬢が明智の助手として登場するがマユミを救ふために小林少年が二度も女装でマユミに化け二十面相を翻弄。12、3歳の少年に女装させる乱歩先生も先生だが、さすがに誘拐された小林少年が閉ぢ込められた密室でスカートをめくりあげストッキングのガーターベルトに止めてゐた探偵七つ道具をば取り出して……は「やりすぎ」と思つたのだらう、乱歩先生は小林少年に、スカートの下に半ズボンは穿かせポケツトに道具を忍ばせてゐた。
しかし讀者の皆さん、天下の明智探偵も一目おき、怪人二十面相すらだますだけの探偵としての才能と變裝の術をもつ小林少年が、膝上丈のタイトなスカートの下に半ズボンをはくなんて、そんな中途半端な變裝で怪人に對峙すると、お思ひになりますか?
と乱歩先生なら書き進めさうだが。
▼香港電台「頭條新聞」は前行政長官董建華が不快感示し北京中央に「何故に公共放送が政府批難出来るのか?」と疑問呈されるだけの価値ある番組。今晩はウイグル自治区での取材特集が秀逸。五十年代に西域開発で殖民しウイグルに住みついた漢族の老人らは党政府の革命精神の醇朴なる信奉者だが今もつて「ウイグル族に友だちなどゐない」と棲分けの事実語りウルムチのの貧民区で年収一萬元の家庭や勉強したかつたが貧困ゆゑ中学も行けなかつたと赤子抱へ涙ながらに語る若い女性らウイグル族の実態。ウイグル族の老人はウルムチの市街でどれだけ漢族が年収十数萬元と商売で利益を得てゐるか、と嘆く。
▼香港金融管理局(HKMA)で世界一高い禄貪りし任志剛の後任に予定通り文革曽子飼ひで行政長官弁公室(特首弁)主任の陳徳霖。年俸HK$7.5百萬は任総の七掛だが、それでもまだ/\米国FRB議長より高給。特首弁主任は政制及内地事務局で林D9の許で副局長の譚心源が襲ふ。「静止的水、深不見底」と形容される陳徳霖、HKMAで「水乳交融」の如く任総に12年仕へ副総裁にまで昇りつめ文革曽が05年の行政長官茶番選挙立候補の折に選対の任にあたり特首弁主任として強引に副局長、政務アシスタント職新設図り立法会で不信任動議すら受ける。副局長八名、アシスタント九名の計17名のうち七名が陳徳霖嫡系と言はれ特首弁主任の譚心源もこの副局長の一人。文革曽を頂きに小役人どもがポスト攪拌で遣りたい放題の態なり。

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