富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-07-09

七月九日(木)昨日に続き絶好調に素敵な夕焼け。新界の遠くの山まできれいに焼ける。暗くなる頃に石澳。年に一、二度「郊外で食事」する仲間でBlack Sheep料理店に食す。豪州はAdelaide HillsのChard 07年を食前に、で前菜には法國産のLes JamellesのSauv Blで、秀逸なるピザをむしやむしや食しもう一度Adelaide HillsでPinot Nの赤。K氏お迎への自動車でK氏含め四人は戻られZ嬢と二人で筲箕灣行きのバスを待ち石澳の海岸にアイスキャンディー頬張りつゝ見事な月を愛でる。海風心地よし。
▼唯靈先生がこゝ数日、信報の連載で七十年代からの香港の食肆紹介を回顧。(七日の記述)1970年に当時、中環の壽絀隆大廈にあつたFCCで唯靈さんが酒を飲んでゐると隣のオヤヂが「香港の中華料理より紐育の方がマシ」と宣ふので唯靈さんは「それぢや香港の中華をご案内しませう」と連れていつたのが当時、永吉街にあつた陸羽茶室、沙田龍華と(今はなき)老誌五月花。このオヤヂが紐約時報のグルメ欄編輯者のCraig Claibourne氏。帰米後に香港の中華の美味さをすぐに記事にした由。もともと投資関係の仕事されてゐた唯靈先生は食通で余暇で食評書き始め 1978年に「食在香港」なる小冊子を出されたさうで、これは讀んでみたい。(本日の記述)80年代初には新聞雑誌に紹介の食肆44軒をまとめた書籍を上梓。その44軒には雙喜茶樓など、でそのうち現存は
鏞記、新同樂、福臨門、陸羽、佳蓮娜、麒麟閣、翠亨邨、西苑、鹿鳴春、龍華、金島、天香樓、文華酒店文華廳
などださうな。いかに飲食店経営が難しい、か。
▼信報社説「必須找出新疆騷亂的成因」が指摘する。冰凍三尺,非一日之寒。中国政府はいつもかうして民族騒乱があると国家分裂企む海外反政府組織や国家の敵なる指導者あり、とするが、かりにさうした煽動があつたにせよ、もし国内で問題がなければ、不穏な禍根がなければ触発で千人の死傷者が出るやうな惨事になるだらうか、と。それを蔑ろにして「国家分裂を企む者の仕業」とすることがいかに甘いか。政府が問題の根源をきちんと理解し対処しなければウイグルの安定も遠からう、と。御意。
ウイグル騒乱で胡錦濤国家主席G8出席せず急きよ帰国。中共内部での派閥対立も原因の一つ、と季平氏蘋果日報に綴るは、北京中央で社会安定の権責にある中央政法委書記の周永康と公安部長の孟建柱の二人が江澤民前国家主席の直系で、この二人がウイグル鎮定に功績あれば江澤民系は収賄など不正で失脚の鄭少東・公安部前ナンバー2や許宗衡(江澤民子飼ひの黄麗満・広東省党幹部の推した深圳市前市長)と続いた失点挽回し巻き返し図れるところ。またウイグル騒乱を指揮する最高責任者の習近平・国家副主席も、ユーゴスラビアの中国大使館を米軍が誤爆の際に国家副主席であつた胡錦濤氏が対米示威対策で評価あげたやうに、これを機に確実にポスト胡錦濤の地位を維持か。さういふ党内の微妙な情勢の中で胡錦濤国家主席は伊太利にゐるよか北京を壓える必要あり、またG8で各国首脳から「中国の少数民族対策への苦言」や人権問題指摘されるよりさつさと帰国した方がよかつたのだらう、と。
佐藤優氏の背任と偽計業務妨害容疑で最高裁の上告棄却決定に対する異議申し立てを期限までにせず有罪確定(懲役二年一月、執行猶予四年)で国家公務員法に基づき失職の由。
平岡正明氏逝去。享年68歳。中学生から高校生にかけかなり影響うけた御仁なり。

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