富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-06-11

六月十一日(木)夜明けころに一つ大きな落雷あり。目覚めてしまひ雨音聞きつゝ朦朧としてをれば落雷ぼつ/\激さまし雷神踊り狂ひ六時過ぎには窗の向ふはただ白く濁るほどの大雨、が小一時間で小雨、の朝の大騒ぎ。日暮れに帰宅しタンカレーマティーニ二杯。本日の狂乱は朝の雷に終わらず昼すぎ自称政治家行政長官文革曽が記者会見にて全港の幼稚園小学校の明日からの二週間の休校措置発表。数日前に地場の中学で十六歳学生一人感染あり十一人だかの同學の者感染疑ひあらば本日夫れ確証に至り、の措置なり。迅速といへばその通り、だが十代後半に最も感染易き新型流感で何故に幼児童が対象か、今一つ解せず。晩のテレビニュースでは新型流感を「社區爆発」と煽る。孫某なる教育局長、記者の質問に答へて曰く、幼子はマスク、鼻紙をだう使ふかも曖ろ、だから幼稚園、小学から休校措置、と。六月の中旬とならば九月始業のワールドスタンダードならば学期末、小学なら休校措置も実質的には夏休み、で感染が最も危き十代後半はまだ期末考査終はらず休校措置も出来ず、が本音だらう。だが小学でも学校によつてはまだ期末考査など終はらぬ場合は弾力的措置として学校独自の判断で開校もあり、とまぁ曖昧模糊。ロールキャベツとマカロニサラダの夕食。ジャスコの安売で購つたChâteau du Moulin Rougeなる「いかにも」な名前の葡萄酒飲む。NHKの無節操無教養ニュース娯楽番組NW9は国連の北朝鮮核疑惑審議伝へ、これに抗する北朝鮮のテレビ番組傍受画像流す、が何が驚いたつて平壌中央テレビだかの女性アナウンサーの独特のあのドス効かせた抑揚のアナウンスを日本語での通訳も口調から抑揚まで声帯模写してみせNHK報道局の無節操無教養どころかバカさ加減に呆れて言葉もなし。東京の中央線高円寺界隈的な若者の芝居への取り組みを映せば「行き場のない現代の若者たちの閉塞感」つてベタな内容。二十年前の大江健三郎が二十歳の頃も、五一五事件の頃も「若者たちの閉塞感」は便秘みたいなもの。まるで昨日今日おきたやうに。今日の衆議院での憲法審査会に関する審査会規程が自公の賛成多数で可決されしことも「今の憲法の問題を検討するための」つてアンタら報道の中立性は何処に。最初から「今の憲法の問題を」と言い切つたらNHK改憲勢力の片棒を担ゐでゐようが。これくらゐ偏向報道がよくぞ出来たもの。文藝春秋七月号讀む。中国を信じられない「100の理由」なる特集。日本の保守層がこんなもの讀むで溜飲下げてゐるやうぢゃ「ケツの穴が小さい」だけ。還暦のオヤヂも時代の閉塞感に苦しむ若者も所詮、同じ窩の狢であらう。
▼香港のこの全港小学休校措置に「この時ぞ」とばかりに香港鼠楽園が「夏休み到来」と6月いつぱい有効の入場券HK$250で発売。政府衛生局長が「休校措置は夏季休暇とは違ふ」と名指しで鼠楽園非難。
▼昨日の日剰に綴つた左丁山氏指摘の馮某なる者の信報の記事は五日の信報に掲載の「天安門廣場屠殺「真相」」。これにつき八日の信報に「訂正」あり。馮某曰く
一、文章開首八九年為原稿所無,編輯沒有留意,八九年《蘋果日報》還沒有出來。
二、我原題目是〈天安門廣場開槍事件「真相」〉,但被改成(天安門廣場屠殺「真相」)。我不用屠殺或屠城等字眼,原意是盡量呈現客觀真象,題目改了,就已有前設立場。由於我教的是新聞寫作,所以特別注意新聞用語,請諒解。
三、文章刪去了一些關鍵字句。也許該版編輯經驗尚淺,其實我看到有兩段都可以偷一行出來,那就可補回刪去的兩行。該兩行是在最尾部份,也影響了文章的結論―Perry也認為,開槍事件主要發生在木樨地和東長安大街附近。Pery又引述Kristof說:「軍隊的確在天安門四周開槍,但他們並沒有向那些圍坐在紀念碑上的學生開槍。」
と。つまり八九年当時に蘋果日報が創刊されてをらぬ事実に気づかなかつたのは編集部の粗忽であり、この記事の原題は「天安門廣場開槍事件「真相」」であつたものを編集部が勝手に「開槍」と改め、Kristofの文言はPerryなる学生からの引述で而も正確な記述部分が削除されたことで誤解を招いた……とすべて編集の粗忽に責任なすりつける無様なり。信報もかなり呆れたか、この馮某の訂正釈明のみ掲載し一切謝罪も意見もせず。

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