富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-12-05

十二月五日(金)夜中に咳と痰で何度も目覚める。ふら/\するがご公務。香港墳場にかつての在留邦人の墓あり。掃墓。御父母、弟君がこの墓に眠るO氏よりいくつか話を聞く。氏がどうして子どもの頃にこの墓地になかつた萬霊塔がその後に据ゑられ、しかも大正八年とあるのかかねがね疑問がアタシの拙話から解けた、と言はれこそばゆい。萬霊塔は大正当時、大谷光瑞師来港の際の寄進を元に日本人慈善会が建立。揮毫は光瑞師による見事なもの。それが当時の日本人火葬場(掃捍埔)にあり。昭和に入り掃捍埔の開発でこの火葬場は廃されたが万霊塔のみ残り、戦後この墓地に移送されたもの。アタシもそれがいつなのか知らぬまゝだがO氏が弟の墓参に来られた頃はなかつた、といふ話から萬霊塔は1970年代くらゐに移されたのでは?と察す。墓地近くの養和病院に参り診察を請ふ。ちよつと頼りない若い医者に抗生物質など供されたが暫くして熱も出始め、こりやアカン、と帰宅して臥床。午後遅く熱が38.2度まで上がり陋宅近隣のC医師の診療所。解熱の注射を受ける。晩にどうしても外せぬ、お世話になつた方の送別会ありハッピーヴァレイの寿司澄。途中一瞬貧血のやうになつたがどうにか回復。C医師の配薬が見事でどうにか場をこなす。が薬でのこんな強引なことは身体に負担がかかるばかり。本来はきちんと休養すべきなのだらう。宴会後帰宅して倒れるやうに眠る。
▼香港の二大テレビ網のうちの「地味な方」として確固たる?地位にある亜州電視(ATV)は累積赤字HK$50億と瀕死の状態だが建て直しに張永霖を会長に、王維基をCEOに抜擢。親中派資本などいくつかが株の持ち合ひの膠着状態の中で誰がATVの舵取り役になつても立場脆くならうところ。Cathay PacificからPCCWの経営などで謂わば八方美人の、笑つてゐれば良いことがニンの張永霖は2004年にPCCWから放り出された後は骨董品蒐集など細川護熙的に風流人気分。その彼を今更、現役に復帰でトップに据ゑたのは寧ろ無難なところか。で城市電訊(City Telecom)を立ち上げ成功させた王維基に経営全般任せるのは妥当なところだらう。だが広東省の不法視聴者こそあれ視聴者が千数百万人規模の市場で今更、何がテレビなのか?といふ気がするが。

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