富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十月廿八日(火)快晴。昨日暴落の株価は反発。かうも昇降続いては話題にもならず。
▼劉健威兄、成田に着いた足で新宿に向ひ夕方、小腹が空いたので天ぷら食さうと旅行案内本頼りに「つな八」探したが新宿三越裏で一向に見つからず、で東京通の健威兄がまた何故に、と思へば香港から持参の旅行本には「綱八」とあり、で綱八をずつと探してゐた由。それだけ、と言へばそれだけの話だが。銀座の「ハゲ天」なら禿天か。
朝日新聞の「記者風伝」で疋田圭一郎について連載あり懐かしく読む。朝日の夕刊の「新・人国記」の青森で
雪の道を角巻きの影がふたつ。
「どサ」「ゆサ」
出会いがしらに暗号のような短い会話だ。それで用は足り、女たちは急ぐ。
みちのくの方言は、ひとつは冬の厳しさに由来するという。心も表情もくちびるまで こわばって「あららどちらまで」が「どサ」「ちょっとお湯へ」が「ゆサ」。ぺらぺら、くちばしだけを操る漫才みたいなのは、何よりも苦手だ。
あまりにも有名な疋田の文章の引用。どこまで実話か、どう取材したのか、も鳥渡気になる。アタシの知る陸奥の人は能弁も少なからず。それが本多勝一に至るとルポルタージュ政治的主張を始め、ジャーナリズムも田原総一朗になると(同じ今日の朝日で星浩が讃めてゐるが)ただ論争を吹つかけるだけ。さらにNHKのNW9になると「世界に波及する経済混乱。景気の浮き沈みに敏感なこの業界ではッ!」と銀座にあふれる空車タクシーを取り上げ売上げ減のタクシー運転手の取材続け「この、タクシーが敬遠される原因はッ?」ッて小学生でも最初から世界的金融混乱が原因だとわかるだらう(笑)。こんなお馬鹿なレベルがジャーナリズム。NHKの報道センターは年収1千万円以上の職員は半額に減給すべき。
新銀行東京での詐欺事件。石原都知事曰く「こうした事態を招いた旧経営陣の責任は重い」つて、こんな銀行設立して公金を無駄にする張本人の責任こそ重くないかしら。日本の再生とか力強い日本とか、そんなことどうでもいいから。

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