富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

農暦八月廿三。秋分寺島実郎氏が朝日新聞で曰く
1年間で首相が2人辞任する事態なのに、デモもなければ暴動もない。海外からは、政治が機能しなくても何事もなかったように経済も社会も動いている不思議な国だといわれる。だが、そうではない。重大な国益の損失をもたらしていることに気づいてないということだと思う。冷戦後、各国が戦略を再構築し始めたときから、日本は政治の混迷が続いた。首相が10人以上代わり、外交・経済ともに構造的な変革に一切手が打てなかった。いま世界で、米国やドルの一極支配と言う人はいない。求心力低下や多極化という言葉でも適切ではない。無極化、米国なき世界の中で、戦略を議論しなければならない。(略)日本の昨年の食料とエネルギーの輸入額は26兆円にのぼる。自動車、電子部品、鉄鋼の御三家の輸出額とほぼ同じだ。食料とエネルギーの輸入価格が上がる一方で、国内では次の産業基盤をつくれていない。それなのに、成果の分配の議論ばかりが先行する。どうやって次の世代を価値のある仕事に向わせるか。議論の視線を上げるべきだ。
と。全くその通り。最後に「しなやかで公共性の高いテーマに目覚めた若い人たちが日本を変えていくかもしれない」と結ぶが不幸と絶望の中での微かな漠然とした望みに過ぎない。敢へて具体的に考へれば下手すると平成の青年将校ら率いる革命軍か村上龍の「コインロッカーベイビーズ」的な組織の若者の台頭かしら。それぢゃ期待より不安よ。

富柏村サイト http://www.fookpaktsuen.com/
富柏村写真画像 http://www.flickr.com/photos/48431806@N00/