富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-06-27

六月廿七日(金)雨はまだ降り続く。昼まで大雨。早晩にFCCで一飲。珍しくスクリュードライバー。独りカエサルサラダの鶏胸肉のロースト添へを食し米国加州はフォピアーノ葡萄園のリバーサイドなるシャルドネ(05年)二杯。市大会堂。Z嬢とDaniel Yeung(楊春江)君の舞踏公演を観る。DY君ももう40代。だが童顔で小柄十代の如し。端正。29歳で本格的に舞踊を始めた彼の公演は99年から殆ど見続けてをり、寡作ゆゑ前回は05年の“Little Prince Hamlet”で、今回はかなり気功であるとか取り入れ Chinese Body なるものが主題。北京五輪の乗馬競技香港開催記念の芸術公演の一つ、で<中国>なるものを主題に絡ませたのか、と察するが、公演の終盤は89年の天安門事件や今春のラサ暴動の映像を背景に一糸纏はず個からの気の発散を表すやうな表現あり興味深し。帰宅してレオシュ=ヤナーチェクを聴く。Leif Ove Andsnesピアノ曲集はCD1枚にソナタ、「霧の中で」と「草陰の小径」が入つてしまふ。今日、中環のHMWでヤナーチェクの器楽曲のCDが二枚あり、同じ「シンフォニエッタ」がサイモン=ラトル卿指揮のフィルハーモニアオーケストラ(EMIでこれは当然として)ともう一枚、スロヴァキア放送交響楽団(オンドレイ=レナールド指揮)のNaxos盤がありHK$40とお買ひ得。これを聴き比べたが録音は後者が圧倒的に劣るのは当然として、あまりに楽曲として完成され過ぎた前者に比べ、後者がいかにも地元の楽団が地元の作曲家の伝統曲を演奏してゐる緩さがたまらなく素敵。
▼張五常教授の信報連載(第4回)で汚職、贈賄の経済効果についての言及あり。張教授曰く中国の贈賄の状況はアジア諸国の中では比較的まだマシなはう、と。「よく言ふよ、まつたく」と思つたが張教授自身が訴へられてゐる罪状は骨董品店での偽物偽造販売と脱税の罪で而も米国でのこと。中国経済の学説とは関係ない、とすべきか。
▼在独逸の關愚謙氏がまだ信報でまだチベット問題で吠え続ける。(廿四日、信報)
チベットの文化や思想の歴史は千年余、それは中国の文化と歴史のとても重要な一部分であり(略)中国政府指導者は過去の政策を反省し先づ少数民族政策の誤りを改め彼らの文化を肯定し人格を尊重すべきで対立関係を解消し彼らを人民の中の一員とすることである。
……と。言葉もなし。

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